憧れの菅田将暉からの印象的な言葉!13歳・田代輝が『CUBE』で感じたスゴさ
映画『CUBE 一度入ったら、最後』(公開中)に出演した田代輝(たしろ・ひかる)が、「憧れの人だった」という菅田将暉との共演について語った。
1997年に放たれた衝撃作をヴィンチェンゾ・ナタリ監督公認の元でリメイクした本作は、男女6人が、謎の立方体“CUBE”に閉じ込められ、命がけで脱出するさまを描く。すべてが謎で、どんな人間であるかもわからない6人を菅田、杏、岡田将生、斎藤工、吉田鋼太郎というそうそうたるメンツが演じ、彼らと肩を並べて、中学生の宇野千陽(うの・ちはる)を田代が演じた。
13歳の田代は、カルト的人気を誇るオリジナル版『CUBE』を鑑賞し、「あまりに怖くてドキドキしてしまって。途中で一時停止をして目をつぶったり耳をふさいだりしながら、家族と一緒に観ました(笑)」とまずは観客として物語の恐怖を存分に味わった。
そのリメイクとなる本作でのオーディションの手応えはなかったというが、「(オーディションを受けた)当日に連絡が来て、合格したよ! って。うれしかったのと同時に、主演が菅田さんと聞いてかなり緊張しました。しかも共演者の皆さんがとても豪華な方々。僕がそこに入っていいのかな? 映画を壊さないようにがんばらなきゃ!」と気合いを入れてスタートを切った。周囲の反響も大きく、「その場に居合わせた両親もすごく喜んでいました。ニュースで知った友だちは『スゴイね~』と言ってくれたり、担任の先生も応援してくれています」と田代を後押し。
彼にとっては特に菅田との共演が大きかったようで、「じつは小学2年生のときに『デスノート Light up the NEW world』に小さな役で出演させていただいて。完成した作品を観て菅田さんが銃で撃たれるシーンの迫力に、スゴイな! と思って、家でマネをするほど影響を受けました!」と長年に渡って憧れを抱いていたことを明かす。その存在は俳優としての目標でもあったそうで「いろいろな役を演じられていて、役によって演技が全然違う。しかもその全部が、本当の菅田さんに思えます。自分もそのような俳優になりたいです」と真っ直ぐ賛辞を送る。
そんな菅田と対峙するシーンでは「なかなかうまくできなくて、何度も撮り直しました。内心辛く、どうしたらいいんだろう? と思いながら工夫を重ねて。10テイクほど繰り返し、たくさんの時間をかけていただきました。自分のせいで皆さんを待たせてしまっている緊張と申し訳なさとでいっぱいになったのですが、菅田さんが『大丈夫、一週間かかってもいいから』と言ってくださって安心できました。それでようやく終わったあとスタッフさんに謝りに行くと、監督が『みんなでつくる作品なんだから。千陽のせいだけじゃないよ』と言ってくださり、すごく感動しました」と感謝の気持ちを口にする。
そうして約1か月、最初に「遊園地みたいだ」と思ったセットに毎日通い、撮影を続けた。まるで千陽のように「閉じ込められた感覚がずっとありました。クランクアップしたときは、脱出した! という気持ちになりました」と笑う。撮影はストーリーを体感するようでもあったが「怖い! と思えるってことは、怖い映画に仕上がっているということだからいいんだと、自分に言い聞かせながら頑張りました」と確かな手応えを感じている。
やや緊張気味に、大役を果たした体験を振り返る姿はごく普通の中学2年生。劇中では心を閉ざし、周囲に不信感を抱く少年そのものだったが、「僕自身、人見知りなところがあって。初対面の人だとちょっと緊張してうまくしゃべれなかったりします。(打ち解けるまで)時間がかかるんです」とどこか初々しい。それでいてまるで少女漫画に出てくる王子様のように場を一瞬で明るくする華やかさもあり、笑うと一気に幼さが増してかわいさが加速、一瞬で心をつかまれてしまう。
部活ではパソコンに取り組み、ゲームが大好き! というイマドキな面も。両親に教えられてハマったという「ドラゴンボール」について質問すると、「めちゃめちゃ好きなんです! 漫画は全巻持っていて、毎日のように読み返してます。フィギュアも集めていて、160cmくらいの高さのフィギュアケースがあるんですけどもう入り切らなくて。好きなように並べて眺めていると、ワクワクします!」と食い気味に告白する。いま好きな映画は『カイジ』シリーズ。藤原竜也や、『カイジ ファイナルゲーム』に出演していた吉田鋼太郎の迫力ある演技に圧倒されたそう。
そんな彼は、これからどんな俳優になるのだろうか。演技の魅力について聞くと「私生活ではできないことなど、例えばヤンキーのような行動も演技ならできます。いろいろな経験ができるのは楽しいです」と目を輝かせる。テレビや映画そして舞台、目の前に道はいくつもあって、「どちらかというと映像の方が好きで、今はそちらを中心にやっていきたいです。舞台は、撮影のように撮り直しはできず、一発本番。その緊張感も面白いです」と夢はぐんぐん広がっている。(取材・文/浅見祥子)