監修・庵野秀明「シン・コンプリート・サンダーバード」スターチャンネル放送決定<コメント全文>
東北新社/STAR CHANNEL MOVIES は20日、庵野秀明が1985年に編集・構成として関わった、特撮人形劇「サンダーバード」のダイジェスト版を本人監修により復活させる「シン・コンプリート・サンダーバード」を、2022年に BS10 スターチャンネルで独占放送すると発表した。
本作は、当時25歳の庵野がプロとして初めて編集に関わったという、テレビシリーズの名シーンを集めたダイジェスト編「ザ・コンプリート・サンダーバード」のデジタルリマスター版。東北新社の倉庫に眠っていた当時の映像を基に、再び庵野監修のもと、修復とHDリマスターを施し生まれ変わらせる。
「シン・コンプリート・サンダーバード」のタイトルは庵野が自ら命名。「再び関わらせて頂けることに感謝しています。サンダーバードファンの皆様に楽しんで頂ける作品を目指して頑張ります」とコメントを寄せている。放送日程は決定次第、スターチャンネル公式サイト等で発表される。
スターチャンネルの映画レーベル STAR CHANNEL MOVIES では、「サンダーバード」日本放送開始55周年プロジェクトとして、日本語劇場版『サンダーバード55 / GOGO』を2022年1月7日より劇場上映し、同年1月8日よりオンライン上映。同作は、本国イギリスの熱狂的なファンによるクラウドファンディングで制作され、オリジナルの撮影手法を完全再現した新作3話を、樋口真嗣が日本公開用に構成した特別版となる。
また現在、国立新美術館(東京・六本木)で開催中の「庵野秀明展」では、日本語劇場版『サンダーバード55』の撮影で使用されたサンダーバード1号、2号のほか、当時発売された「ザ・コンプリート・サンダーバード」のVHSなども展示されている。庵野秀明のコメント全文は以下の通り。(編集部・入倉功一)
庵野秀明コメント全文
1985年に構成・編集で参加させて頂いた「ザ・コンプリート・サンダーバード」は、当時、アッセンブルとインサートしか出来なかったアナログ編集時代に膨大な時間と手間を掛けて、周囲に大変な迷惑を掛けながら何とか形にしたものでした。
当初の構成案はメカグラフィティーとしてメカの活躍等を音楽に合わせた編集で魅せる予定でしたが、肝心のオリジナルサウンドトラックが存在しないという話を作業中に聞き、仕方なくMEテープ(音楽と効果音だけが入っているテープ)から使えそうな箇所をピックアップして貼り付けるしかなかったものでした。
MA作業(画と音を合わせる作業)にスケジュールの関係で立ち会えず、個人的に不本意な音響状態のまま発売されたものでした。
そして、諸般の事情から30年以上オクラに入っていたものでした。
良い思い出といえば、本屋さんで偶然会ったあさりよしとお氏に「1号2号の着陸のところが面白かった」と言って貰ったことでした。
そして今、「ザ・コンプリート・サンダーバード」に再び関わらせて頂けることに感謝しています。16ミリポジフィルムのテレシネ画像がHD画質のリマスターとして蘇ることに感謝しています。
現在のデジタル編集と、発見されたオリジナルサウンドトラックとTBS再放送版の主題歌を使用した音響作業に関われる機会を頂き、感謝しています。
作業はまだ先ですが、当時描いていたものに出来る限り近づけたバージョンアップ版として形にするつもりです。
改めて、当時ご迷惑を掛けたスタッフの皆様と、再び形を整えさせて頂く機会を与えて下さった東北新社様に感謝致します。
ありがとうございます。
サンダーバードファンの皆様に楽しんで頂ける作品を目指して頑張ります。
よろしくお願いします。
「サンダーバード」等ITC作品ファン 庵野秀明