黒木華、フジ連ドラ初主演 ネット記者役でメディアのあり方問う
黒木華が、2022年1月スタートの木曜劇場(フジテレビ系、毎週木曜22時~22時54分)「ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○」で主演を務めることが明らかになった。黒木演じるニュースサイトの編集部員を通し、現代のネット社会においてメディアのあり方を問うオリジナルストーリーで、演出を、黒木も出演していた「リーガル・ハイ」シリーズ(2012~2014)などの石川淳一らが務める。黒木にとって木曜劇場枠の出演は初、同局の連続ドラマで主演を務めるのも初となる。
本作は、大手出版社が運営するニュースサイトの編集部員・瀬古凛々子(せこ・りりこ)を主人公に、そこで働く者たちの仕事や生き方、恋愛を通して、新時代の人と人とのつながりを描くエンターテインメント。黒木が演じる凛々子は、ニュースサイト「カンフルNEWS」閉鎖の危機を救うべく、経理部から異動してきた設定。洞察力に優れ、ちょっとした矛盾や誤りを見抜くことができる反面、人の気持ちを理解したり場の空気を読むことが苦手。そして、人には話していない秘密がある。
「カンフル NEWS」では、放任主義の編集長をはじめ男性ばかりの編集部員たちが、他社のニュースやブログ記事やコメントをコピペしただけのいわゆる“コタツ記事”(直接取材を行わず、流通している情報を元に構成した記事)ばかりを発信していた。初めは手段を選ばず「PV(ページビュー)数を伸ばす」ために取材をし、記事をアップしていく凛々子だったが、やがて世の中で必要とされていないと思っていたネットニュースの仕事が少しずつ意味のあるものに変わっていく。
今年4月期の月9ドラマ「イチケイのカラス」(フジテレビ系)の堅物裁判官役も記憶に新しい黒木。2022年は連続テレビ小説「純と愛」(2012年10月~2013年3月/NHK)での連ドラデビューから10周年となる。今年は9月に主演映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』が公開され、同月に益田ミリの漫画に基づくテレビ東京の連続ドラマ「僕の姉ちゃん」が Amazonプライム・ビデオで先行配信された。
脚本は、「後妻業」「新米姉妹のふたりごはん」(共に2019)などの関えり香ら。主演の黒木華、編成企画・渡辺恒也のコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)
黒木華
●フジテレビ系ドラマで初主演を務めることについて
「皆さんに楽しんでいただけるような作品になるよう、気負わず、いつも通り頑張りたいです」
●台本を読んでの感じたこと
「ネットニュースにどういう風に切り込んでいくのか楽しみです。そして、瀬古凛々子という一人の人間が、真実に向かっていく様を共演者の皆さんと一緒に楽しみながら探していきたいと思います」
●主人公の瀬古凛々子という女性のイメージ・印象
「最初の印象では、どんな人なのかすぐにはイメージできなかったのですが、演出や作風という表現でどこまでも広げられる可能性があるキャラクターだと感じました。人間関係を築くのが得意ではなく、とっつきにくい凛々子がどうなっていくのか、私自身も楽しんで作っていけたらと思います」
編成企画・渡辺恒也(フジテレビ編成部)
●企画意図
「ある調査によると、日本人の2人に1人が、“毎日必ずネットニュースを目にする”と答えるほど、ネットニュースは現代人の生活におけるインフラの1つになりつつあります。我々メディアで働く人間も、報じる側でもあると同時に報じられる側でもあり、“事実がありのままに伝わる”というシンプルなことがいかに難しいか、日々身に染みて感じています。本当とフェイクが入り混じるネットメディアの世界、なかには世の中から求められていないニュースもあるのかも知れませんが、“それを送り出す側の人はどんな思いで仕事をしているのだろう?”という思いから始まった企画です。
制作にあたっていくつかのメディアで働く方に取材をしていく中で、他のどんな仕事とも同じように、それぞれの生活や人生があり、携わる人の“思い”で成り立っている仕事なのだということがわかりました。誰かが本気になって世の中に発信したニュースが、たった1人でも人の気持ちを前向きに動かしたりすることがあれば、その記事は、新しい時代の人と人とのつながりを形作るロープのような存在になっているのかもしれません。コロナ禍によって人との距離を空けることを余儀なくされた今、ネットという対面ではないコミュニケーションを通して、他人とつながることの希望のようなものを伝えることができたらと思います。そして、画面の向こう側にある人の心を伝えるメディアで働く人々の、フェイクではない本当の姿を描いていきたいと思います。受け取っていただく方にいろんな楽しみ方ができるよう、社会派“風”のお仕事エンターテインメントであることを意識して、スタッフ・キャスト一丸となって制作していますので、2022年の幕開けとなる新ドラマ『ゴシップ』を、是非とも、楽しみにお待ちください!」
●黒木の起用理由
「ネットニュースをテーマにしたドラマを作りたい、と考えた時に最初に浮かんだのが、“一切の遠慮や忖度(そんたく)なしでPV数を上げることを第一に考え、どんなことでもまず行動する人”が主人公だったら、面白いのではないか、ということでした。同時にこのキャラクターが、視聴者の皆様からも愛される主人公でもなくてはならない、ということを考えると、相当な表現力を持った役者さんでないとダメだな、と思い、たどり着いたのが、今回主演の瀬古凛々子役をオファーさせていただいた黒木華さんです。黒木さんは、“凛々(りり)しさ”と“しなやかさ”を兼ね備えた俳優さんだと思います。凛々子というキャラクターの心の中にある確かな“芯”と、人を巻き込んでいつの間にか動かしていく“魅力”が、黒木さん自身の姿に重なるところも大きく、今からどんな凛々子像が作り上げられていくか楽しみでなりません。これまでいろんな役を演じてきた黒木さんにとっても、瀬古凛々子が新たなハマり役となることを、期待しています!」