有村架純、女優業は今でも不思議「なんでだろう?」
19日、有村架純が主演を務めるWOWOWオリジナルドラマ「前科者 -新米保護司・阿川佳代-」の完成報告会が都内で行われ、有村と共演の石橋静河、岸善幸監督が登壇した。
本作は「ビッグコミックオリジナル」(小学館)で連載中の漫画「前科者」(原作・香川まさひと、作画・月島冬二)が原作の社会派ヒューマンドラマ。“前科者”たちの更生、社会復帰を目指し、保護司が奮闘する。ダブル映像化企画として、2022年には映画公開が予定されている。
新米保護司・阿川佳代役の有村は、実際に保護司として活動している方から「『ハートは熱く、脳は冷静に』という言葉を大事にしている」と教えられたことから、「佳代もそういう気持ちを持って立っていられたらいいなと思っていました」と撮影を振り返る。その現場は「本当に楽しかった」そうで、「人と向き合うことは労力がいることで、一筋縄ではいかないことだらけですが、人を思って笑ったり、泣いたり、怒ったり、叫んだり、こんなにも気持ちが動く現場は久しぶりだな、人のために生きるって素晴らしいと毎日実感していました」と充実した表情を見せた。
そんな有村に対して、岸監督は「国民的女優なので緊張しました」と明かしつつ、「包容力と鋭さをもって、毎日侍のように戦っていたと思います」とその手腕を称えた。
有村と初共演で、佳代が担当する初めての保護観察対象者・斉藤みどりを演じた石橋は「最初のシーンはドラマ版から3年後の映画版で、二人の関係性ができあがっていることを見せなきゃいけないけど、初めましてだからどうしようと緊張していた」というが、「(有村が)『さぁ、こい!』と温かく迎えてくれたので、『暴れるぞ!』という気持ちになりました」と感謝。有村は「立ち姿から(全てが)かっこいい女優さんで、いろんな気持ちを秘めながら現場に立たれているところも人間らしくて好き。毎日好きが積もっていった時間でした」と嬉しそうに話し、石橋とほほ笑み合った。
作品にちなみ、自身の新米時代の写真が披露されると、有村は「17歳ですかね。今より眉毛が細いです」と照れながら、「上京したてで周りに知り合いがいないし、急に大人たちに囲まれて、とんでもない世界に入ってきちゃったという思いでしたが、自分でやりたいと思った仕事だったので、当時は強い思いがあったと思います」と回顧。一方で「自分のことを話すのが苦手で、目立ちたがりではないから、なんでこのお仕事をしているんだろう? 不思議だなと今でも思います」と笑った。
石橋は二十歳の頃の自分を見つめ「ふてぶてしいですね」と自虐コメントで笑いを誘うと、「気分は今でも新米ですが、世の中的にはそういう扱いをしてくれないので、もうちょっとちゃんとしなきゃなと思っています」と姿勢を正していた。(錦怜那)
「WOWOWオリジナルドラマ 前科者 -新米保護司・阿川佳代-」は11月20日スタート(毎週土曜夜10時30分放送・配信、全6話、第1話無料放送/各話放送後、WOWOWオンデマンド、Amazon Prime Videoで見逃し配信)