「地獄が呼んでいる」地獄の使者はなぜ3人なのか
大ヒット映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』などで知られるヨン・サンホ監督による新作ドラマ「地獄が呼んでいる」がNetflixで独占配信開始となり、早くも世界中で注目を浴びている。同作で絶大なインパクトを放っている“地獄からの使者”はなぜ三人一組で行動しているのか? 16日に行われた製作発表会見でのヨン・サンホ監督の発言を振り返ってみた。
本作は、突如現れた地獄からの使者が、死を宣告された人間を次々と地獄へ突き落としていく物語。衝撃の出来事に人々が恐怖に襲われるなか、その現象を神の裁きだと主張する宗教団体が台頭し始め、異なる信念を持つ人々とぶつかり合っていく。
劇中、地獄からの使者は3人そろって現れ、死の宣告を受けた人に襲い掛かる。この地獄からの使者は3人セットで出現するが、その理由についてヨン・サンホ監督は16日の製作発表会見で「『集団リンチ』が恐怖のキーワードだと思います。少数の人間に対する集団リンチを“集団”として感じさせるための最小人数は何人なのか? と考えたところ、3人程度かなと。2人だとバディのようなので、3人はいなきゃいけないんじゃないか? と思いました」とアイデアの源を明かしていた。
また、悪魔や天使のイメージは古くからあるが、それを想像した昔の人にとってそのイメージの“原形”となったのは一体何なのか、ということを考えて今回の地獄の使者を作りあげていったそうで、「地獄の使者の姿を見た人が、地獄がどんな場所か想像するだろうと思いました。なので、私たちが考える“地獄”というものをキャラクターとして表現できるのは果たしてどんなものだろうか? と考えながら作りました」と振り返っていた。
さらに、ヨン・サンホ監督は「登場するキャラクターはみんな実際の社会にもいそうな人たちで、それぞれ違う信念を持っています。その信念の衝突を見ることが、私たちの社会について考える契機になってくれれば、もしくは観客が自身の信念について考えるきっかけになったり、そういう話をたくさんしてくれればいいなと思っています」と作品に込めた思いを語っていた。(編集部・吉田唯)