中山優馬、子役からの心温まる手紙に感極まる「一生大事に」
俳優の中山優馬が3日、グランドシネマサンシャイン池袋で行われた映画『189(イチハチキュウ)』初日舞台あいさつに出席し、本作で共演した、子役・太田結乃から心のこもった手紙を受け取り「嬉しいです」と感激の表情を見せた。この日は、夏菜、吉沢悠、前川泰之、灯敦生、主題化を担当した降幡愛、加門幾生監督も登壇した。
本作は、実在の事件をモチーフに、児童相談所虐待対応ダイヤル“189”に助けを求める小さな命を救うため、児童虐待対策班が奔走する姿を描いたヒューマンドラマ。中山は、虐待対策班で働く、新人児童福祉司の坂本大河を演じている。
厳しいテーマに挑んだ社会派ドラマ。作品に臨むうえで、中山も並々ならぬ思いを抱いていたようで、上司役の前川は「今回、中山くんとは初めてお会いしたのですが、話をしていて、とにかくまっすぐな人だと感じました。僕は彼を見守る役だったのですが、彼のピュアな気持ちを受けてすんなりと役に入れました」と称賛する。
また、娘を虐待する父親役で共演した吉沢も「児童相談所から父親が娘を引き上げていくところで、子供を助けなければという気持ちが強かったのか、中山くんが足を滑らせて、自動ドアに思い切り体をぶつけて、すさまじい音が鳴り響いたんです。でも中山くんは『大丈夫です』と言っていて。あの姿を観て、この映画への思いを強く感じました」と中山の作品にかける思いを象徴するエピソードを披露した。
そんな中山の真摯(しんし)な芝居は、劇中で虐待を受ける女の子・星羅を演じた太田にも伝わっていたようだ。太田は「星羅役はつらかったけれど、いつも(中山が)優しくしてくれました。大河お兄ちゃんは、わたしにとってヒーローでした。尊敬できる中山優馬さんとまた会えるように、これからもお芝居のレッスンを頑張っていきたいです」とつづった手紙を送る。
共演者からの思いを受け取った中山は「嬉しいですね」としみじみと語ると「現場では結乃ちゃんに引っ張ってもらったシーンが多かったです。この手紙は一生大事にします」と感極まった表情で語っていた。
まさに、渾身の思いで臨んだという本作。中山は「今日からこの映画がたくさんの人に届けられると思うと、嬉しさとドキドキがあります」と劇場を見渡すと「つらい描写もありますが、目を背けてはいけない映画だと思うので、たくさんの人に観ていただきたいです」と力強く呼びかけた。(磯部正和)
映画『189(イチハチキュウ)』は全国公開中