のん監督・主演『Ribbon』サンボマスターの主題歌公開!予告編制作は岩井俊二
のんが監督・脚本・主演を務めた映画『Ribbon』(2022年2月25日公開)の新予告が5日、公開されサンボマスターが書き下ろした主題歌「ボクだけのもの」の音源を初披露。併せて、予告編を岩井俊二が制作したことが発表された。
本作は、コロナ禍で卒業制作展が中止になり、青春を奪われていく学生たちの悲しみを目の当たりにしたのんが、世の中の擦り切れた思いを救い上げたいと企画。新予告は、サンボマスターの主題歌に合わせて主人公・いつか(のん)や友人・家族のさまざまな感情を切り取ったもの。主題歌は“キミの翼は消えてないよ その羽根にいま 生命と太陽 閉ざされた闇は終わって 取り戻すの 心はキミだけのもの”という希望を感じさせるフレーズで始まり、コロナ禍で青春を奪われた美大生の再生の物語を優しく彩る。
これまでに公開された予告編(30秒・90秒・120秒)も含め、予告編はすべて岩井俊二が手がけた。のんは、2020年7月末に公開された『8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-』で岩井組に初参加。『シン・ゴジラ』などの樋口真嗣監督ら5人の監督が発案したリレー動画企画「カプセル怪獣計画」の番外編としてYouTubeで配信された短編シリーズの劇場版で、全編ほぼリモートで撮影。新型コロナウイルスを倒すための未知の怪獣を飼育する男(斎藤工)を主人公にした物語で、のんは通販で宇宙人を買った後輩を好演した。
『8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-』で、どんな状況でも映画づくりをあきらめない岩井監督の姿勢に勇気づけられというのん。「実をいうと今回の映画は、岩井監督にかなり影響を受けています。岩井監督の作品を見返して映像の研究をして撮影に臨みました」と岩井監督から影響を受けたことを明かしている。一方、岩井は『Ribbon』予告編の編集を「鮮烈な映像に目を奪われ、編集は楽しくて仕方がありませんでした」と振り返っている。
岩井、のんのコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
岩井俊二
鮮烈な映像に目を奪われ、編集は楽しくて仕方がありませんでした。コロナ禍が世界を席巻して二年が経とうとしています。そんな間にも様々な作品が作られ、世に送り出されていますが、コロナそのものをテーマにする作品というのは決して多くはありません。この新種の疫病の正体は専門家でも研究中の課題です。やすやすと手を出していいテーマではないのかも知れません。そういう意味ではのんちゃんはいささかせっかちだったかも知れません。それを言ったら僕はもっとです。しかし、その性急さが作家としての僕らの共通点かも知れません。今から次回作が楽しみです。
のん
岩井俊二監督とは、昨年『8日で死んだ怪獣の12日の物語』に呼んでいただいて初めてご一緒させていただきました。実をいうと今回の映画は、岩井監督にかなり影響を受けています。岩井監督の作品を見返して映像の研究をして撮影に臨みました。まさか、私の作品の予告篇を編集していただけるなんて夢にも思っていなくて、自分の頭の中を覗かれるようで気恥ずかしかったです。上がってきた動画が素晴らしくて、美しくて、心の底から喜びが込み上げました。岩井監督の作品から溢れる空気や美的感覚が、Ribbon の映像や音楽や照明や演技やあらゆる要素をより美しく切なくさせていると思いました。自分の撮った映画が人に伝わるのかとても心配していたのですが、このトレーラーを観て、"ちゃんと伝わる作品なんだ"と確信が持てました。たくさんの方にこの映画を観てほしいという思いも大きくなりました。そしてやっと、サンボさんに書き下ろしていただいた凄すぎる楽曲の1節を聴いていただく事ができます。サンボさんと岩井監督のコラボレーションって、なんて贅沢で新鮮な組み合わせなんでしょうか……。早く、早くたくさんの方に観てほしいです。待っててください。よろしくお願いします。