『ホーム・アローン』から31年、マコーレー・カルキンの現在は?
映画『ホーム・アローン』(1990)が24日よる9時、日本テレビ系金曜ロードショーで放送。家に侵入する泥棒たちに、あの手この手で対抗する主人公ケビン少年の痛快な活躍を描いて、日本でも大ヒットを記録。主演のマコーレー・カルキンは天才子役として大人気となった。同作の公開から31年、現在41歳のマコーレーはどんな人生を送っているのか。
子役で成功する一方で、家庭は崩壊し、両親とは裁判沙汰に発展。10代でのアルコール依存症や結婚(2年で破局)、さらに薬物所持での逮捕。死亡説が流れたり、画家やミュージシャンへの転身が報じられたり、何かとお騒がせな人生を送ってきたマコーレー・カルキン。
本人の希望や、実際にオファーがなかったりと、何度か“休業状態”のあった俳優業も、2015年あたりから、インディーズ系の作品で顔をみせ、テレビシリーズのゲスト的な役割に呼ばれる機会が増えてきた。そして今年、人気シリーズ「アメリカン・ホラー・ストーリー」のシーズン10が、マコーレーのキャリアを大きく変えることになりそうだ。彼が演じたミッキーは、脚本家という役どころだが、バイセクシュアルでハスラー(男娼)としての顔も持っており、劇中では衝撃的なシーンにも挑んでいる。当初、マコーレーの参加に懐疑的な声も上がったものの、挑発的な役にぴたりとハマり、観る者を戦慄させる瞬間を何度も作り出した彼を多くの人は絶賛。マコーレーにとって久々の当たり役となり、ここから個性派としての第2の俳優人生が予感される。
マコーレーにとって2021年は私生活でもハッピーだった。共演作(『チェンジランド(原題) / Changeland』)をきっかけに2017年から交際していた俳優のブレンダ・ソングとの間に、4月、めでたく男の子が誕生。ダコタ・ソング・カルキンと名付けられたが、ダコタという名は、マコーレーの姉から取られた。姉のダコタは2008年、29歳で自動車事故で亡くなっている。両親とは複雑な関係だったマコーレーだが、姉は心から愛していたようで、その姉弟愛とパパになった喜びが伝わり、マコーレーにとっては久々のポジティブなニュースとして世の中に受け止められた。
そしてマコーレーといえば、『ホーム・アローン』がリブートされ、Disney+で11月から配信中の『ホーム・スイート ホーム・アローン』で話題が集まった。カメオ出演だけでも高額のギャラが提示されたとウワサされ、どんな役で登場するか期待が高まっていたのだ。ところが、配信前にマコーレー自身がその事実がなかったことを告白。一見、これは残念なニュースに感じられる。しかし、子役時代の代表作にゲスト的に顔をみせることは、自虐的でもあり、俳優として新たな役にチャレンジする道を突き進んだ方が、彼にとって重要なのは間違いない。
実際に『ホーム・スイート ホーム・アローン』が配信された同じ11月、マコーレーは、ハリウッドで行われた「GUCCI LOVE PARADE」コレクションに、ジャレッド・レトーらとともにランウェイのモデルとして登場。子役時代とはまったく違う、大人の男の魅力を振りまいていた。
天才子役には順調に大人の俳優へ成長するパターンと、その後、多くのトラブルに見舞われて「過去の人」になるパターン、その二つの運命に分かれることが多い。マコーレー・カルキンは明らかに後者の道をたどっていたが、ここへ来て「アメリカン・ホラー・ストーリー」などで復活の兆しをみせ始めた。そんな彼の浮き沈みの激しい人生を、『ホーム・アローン』の無邪気な姿を重ね合わせることで、胸が熱くなってしまう人もいるのではないか。(斉藤博昭)