飯豊まりえ「岸辺露伴は動かない」絶妙ウザかわヒロイン・泉京香を生んだ役づくり
高橋一生主演で、漫画家・荒木飛呂彦の短編シリーズを実写化し、昨年末に放送されたNHKドラマ「岸辺露伴は動かない」。同作で高橋が演じる主人公・岸辺露伴の担当編集者・泉京香を演じて話題を呼んだ女優の飯豊まりえが、第2弾の放送を前に、役づくりの裏側を合同インタビューで語った。
「岸辺露伴は動かない」は、人を本にする能力を持った風変わりな漫画家・岸辺露伴(高橋)が、取材先で遭遇する奇妙な出来事を描くドラマシリーズ。飯豊が演じる泉京香は、原作エピソードでは「富豪村」に登場するキャラクターだが、ドラマでは全編にわたって露伴の相棒役を務めた。
露伴の嫌味も受け流し、マイペースに話を進める押しの強い性格は漫画のまま。原作者の荒木が、「ムカつきながら描きました。でもキャラとしては大好きで傑作の出来と自負します」とコミックの解説でつづっている京香の魅力を体現した飯豊の演技は、キュートな衣装も相まって反響を呼んだ。
「泉ちゃんのことは大好きです」という飯豊は「憎めないポジティブさがあって、ポンっと上手に相手のスペースに入っていくところなんか、すごく可愛いらしいですよね。何を言われても受け流して、露伴先生を立てつつ、自分のやりたい方向に導いていくところなんかも、演じていてすごく楽しかったです。気難しい露伴先生を動かすには、これくらい鋼のメンタルがないといけないんだろうなって」とその魅力を語る。
「露伴先生にイラっとしてもらえたらいいなと思いつつ、これ以上やりすぎると嫌われてしまうかも……というバランスは意識していました。ただ、演出の渡辺一貴さんからは、『飯豊さんが思っているよりも、テンション5倍増しで』と常に言っていただいて。今回も、渡辺さんが本番前にトコトコっと来られて、耳元で『5倍増しで、お願いします』って(笑)」
1年ぶりの撮影となったが、自然に京香に戻れたといい「1年経った気がしないくらい、役がそのまま体に残っていたような感覚でした」という飯豊。「一生さんが、露伴先生として現場にいてくださったこともすごく大きかったです。メイクをする前と現場に入られる時では、表情や声質まで全てが変わる。私がセリフを練習していると、自然と読み合わせをしてくださるのも前回から変わらなくて。お芝居に関しては、今回もついていけばいいと思っていました」
今回放送される第4話「ザ・ラン」 には、幾度も共演経験のある笠松将が出演。「笠松さんとは本当に何度も共演していて、『ザ・ラン』のオファーが来たと聞いた時は、こんなに共演することってある!? と驚きました。普段からすごく体を鍛えているので、笠松さんにしかできない役だと思ったんですが、本人は『まだまだ上がいるから』って躊躇されていて。こんなスペシャルな船に乗らないのはもったいないよ! って伝えました。撮影に向けてかなり食事制限なんかをされていたので、露伴先生とトレッドミルで対決するシーンは、心配半分・興味半分で見学に行きました(笑)」
飯豊自身は、本作の出演に一切躊躇はなかったといい「朝ドラの『まれ』にオーディションで選んでくださった(演出の)渡辺さんとご一緒できることが本当にうれしくて、奇跡のような機会だと思って飛び込みました」と振り返ると、「今回も同じチームで集まることができて、素敵な作品にしようとみんなで目標に向かって走ったので、前作と変わらず、奇妙な世界をお楽しみいただけると思います」と力強く語った。(編集部・入倉功一)
ドラマ「岸辺露伴は動かない」は総合テレビにて12月27日・28日・29日、毎午後10:00~10:49放送 (BS4Kでは30日午後7:30~3話一挙放送)