ジャレッド・レトー、日本国と天皇陛下に感謝「最高の食事をありがとうございます」
映画『ハウス・オブ・グッチ』のジャレッド・レトーがインタビューに応じ、日本食への熱い思いを語り尽くした。
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華麗なるグッチ一族がいかに崩壊していったのか、GUCCI創業者グッチオ・グッチの孫で3代目社長のマウリツィオ・グッチ(アダム・ドライヴァー)暗殺事件に至るまでをリドリー・スコット監督が描いた本作。主演は、マウリツィオの妻パトリツィア役のレディー・ガガだ。ジャレッドは毎日6時間をかけ、特殊メイクでマウリツィオのいとこ、パオロ・グッチに成り切っている。
ジャレッドは開口一番「言いたいことがあるんだ。日本国全体、そして天皇陛下に。ありがとうございます。あなたたちの食べ物、そして文化をありがとうございます」と感謝。「日本の食事は最高だ。あごからよだれが垂れてしまわないようにナプキンが必要なくらいだよ。東京から北九州までの素晴らしい食事のことを考えたら。のどを通る物、全てが驚異的で喜びだった。今、日本にいて食事が出来ていたらと思うよ。僕は、日本では多くの人々がハッシュドポテトに夢中になっているのを知っているよ。そのことについてはまた今度話そう。今からちゃんと集中する」
雑念を振り払って「本作は、僕のお気に入りの監督で、映画史に輝くリドリー・スコットと仕事をするまたとない機会だった。それにアル・パチーノ(アルド・グッチ役)が僕の父を演じた。アルの作品からは、俳優としてのあり方や、僕たちに何が可能なのか、自分のクリエイティブな夢に忠実であれ、といったことを学んだ。それにその他のキャスト。ただただ驚異的なアーティストのグループだ」と映画について語ったのも束の間、「僕は観客がこの物語を観てくれることに興奮していて……正直に言うと、今僕が考えているのは『たまご』のことだけだ!」と話題はやはり日本食に。「たまごとうどん。僕は小さなうどん屋さんに行ったのを覚えている。家族経営のお店で、高齢の女性がうどんを押し出していて、すっごく長いんだ。人生で最高の麺だった。器には、長い麺が1本だけ入っている。麺がおなかの中に消えてしまった時には、ほとんど胸が張り裂けるようだった。だって、もう二度と同じ麺には出会えないのだから」と切なげに語った。
実在の人物を演じたことについては、「人の人生に敬意を表することについて、責任感やプレッシャーは感じたよ。彼は他の皆と同じように生きて、息をして、歩いて、話し、トイレをした人なのだから。尊敬と思いやりを持って役にアプローチすることが重要だった。そうできるように僕はベストを尽くした」と振り返る。「僕はこのキャラクターが好きだ。彼は魅力とハートとユーモアに満ちていて、ワイルド。このキャラクターを演じて本当に楽しかったし、映画を観たらそれがわかってもらえると思う」というジャレッドの言葉通り、転落していくアルドとパオロの親子の姿は悲しくも滑稽でなぜか魅力的だ。
本作のビジュアルが公開された際には、ジャレッドの激変ぶりが話題になった。ジャレッドは「人々が映画を観て、映画が終わるまでそれが僕だってことに気付かないでいてくれたらそれが一番うれしい。それが最高の誉め言葉だ。僕は世界に新しい命を紹介したいと思っているんだ。観客にはただただこの世界に入り込んで、ヘルシンキかどこかのサウナで出会った他人みたいにこのキャラクターのことを知ってもらえたらと思っている」と語っていた。(編集部・市川遥)
映画『ハウス・オブ・グッチ』は1月14日より全国公開