King & Prince永瀬廉、難役での息抜きはメンバーとの仕事「笑わせてもらえる」

　映画『真夜中乙女戦争』（1月21日公開）で、3度目の映画主演を果たす King & Prince の永瀬廉。影をまとった難しい役どころを演じる日々において、息抜きはグループでの仕事だったという。また「刺激を受けた」という King & Prince メンバーの活躍についても語った。

永瀬廉『真夜中乙女戦争』で鬱屈した思いを抱える主人公に！【写真】

　新鋭作家・Fの同名小説を完全実写化した本作。友人も恋人もおらず、鬱屈した思いを抱えて生きる主人公・私（永瀬）の日常は、聡明で美しい先輩（池田エライザ）、謎の男・黒服（柄本佑）との出会いにより一変。やがて「真夜中乙女戦争」という壮大な東京破壊計画に巻き込まれてゆく。

　永瀬いわく「大学生や、その世代の人たちが抱えている悩みをギュッとした集大成」だという「私」。共感できるところがあるそうで「自分と誰かを比べて悩むことは、僕自身もあります。それに、こういう時代ならではの悩み、息苦しさっていうものを感じていたりもします」と「私」が抱える孤独や閉塞感に自身を重ねる。

　台詞の一つひとつから「私」の本質を拾い上げ、芝居に落とし込んだ永瀬。「先輩と食事に行くシーンの『先輩みたいにうまく生きられたら……』という言葉は、『私』の本音だと思います。うまく生きられていないことは自分でもわかっているけど、どうしたらいいかわからないし、そもそも自分がなにをやりたいかさえわからない。僕らの年代って、そう感じている方が多いんじゃないかな」とわからないまま考え続ける「私」の思いを、永瀬は理解できるという。

　「考えても答えは出ない、なにが正解かもわからない、それでも考えてしまうこと、すごくあります。僕はこのまま、どういう方向性で芸能界を進んでいくんだろう、とか」と「誰しもある悩み」としながら、「私」と同世代の永瀬廉として、King & Prince の永瀬廉として、包み隠さず打ち明けた。

　そうした悩みを置き去りにさえするように、永瀬の活躍はまさに破竹の勢い。2021年には『弱虫ペダル』で第44回アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」では及川亮役で多くの視聴者の心に訴えかける芝居を見せた。その反響を、今まさに肌で感じている。

　「『りょーちん良かったです』とか『おかえりモネ観てましたよ』ってたくさんの方が言ってくださるので、反響の大きさを感じています。今回の映画も、メンバーの（高橋）海人から『羨ましいくらい良かったよ』って言葉をもらって、嬉しかったです」と言葉以上に表情が喜びを物語る。永瀬自身も、メンバーの活躍に刺激を受けているといい「最近でいうとジン（神宮寺勇太）の舞台（『葵上』『弱法師』－「近代能楽集」より－）がすごく良かったです。『ジンが演じるのだから良いに決まってるだろうな』という想像を軽く超えてきました。すごく刺激になりましたし、舞台って本当に素晴らしいなって。メンバーがやってくれたからこそ、改めて気付けたことなのかなとも思います。ジンにも良かったよって伝えましたし、誇りですね」と目を輝かせる（高橋の「高」は「はしごだか」）。

　また、「撮影期間中、ほかの仕事は息抜きになるか」という質問に対し、永瀬はほかの仕事イコール King & Prince の仕事と変換し「なります」と即答した。「1人の仕事、メンバーがいない状況での仕事が続いたあと、久しぶりに5人での仕事があるとやっぱり楽しみですし、案の定、笑わせてもらえる（笑）。息抜きというか発散というか、とても楽しくやれますね」と自身らを「すごくふざける集団」だと言いつつも、メンバーについての話には自然と言葉数が増え、顔をほころばせていた。（取材・文：新亜希子）