深津絵里、朝ドラのオファー引き受け「とんでもないものを…」バトンを届ける責任感
現在放送中の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土、NHK総合・午前8時~ほか、土曜は1週間の振り返り)で、2代目ヒロインを演じている深津絵里。朝ドラ出演の決め手や自身が演じるヒロインへの思いを明かした。
深津絵里が可愛すぎる!「カムカムエヴリバディ」場面カット【画像】
連続テレビ小説の105作目にあたる「カムカムエヴリバディ」は、岡山・大阪・京都を舞台に、昭和から令和にかけての時代にラジオ英語講座とともに歩んだ祖母・母・娘の3世代親子を100年にわたって描くファミリーストーリー。連続テレビ小説としては初となる3人のヒロインが登場し、上白石萌音、深津絵里、川栄李奈がリレーを繋いでいく。
安子の娘として雉真家に生まれたるいは、18歳まで岡山で育つと、とある理由から「自分らしく自由に生きていきたい」と願って大阪へ。クリーニング店を営む夫妻と出会うと、住み込みで働きながら新しい生活を始めたのだった。テキパキと仕事をこなす働き者として、平助(村田雄浩)と和子(濱田マリ)からも我が子のように愛されることに。
朝ドラ「ちりとてちん」の藤本有紀が手掛ける脚本も数々の趣向が凝らされており、話題を呼んでいる本作。重く苦しい展開で幕を下ろした安子編からは一転、ミュージカル調の演出とともに登場した深津は、18歳のるいを違和感なく演じていた。その初々しい演技には驚きと称賛の声が寄せられていた。前後二人のヒロインを橋渡しする役割も果たすことになるるいを、堂々たる演技で表現している。
そんななか、錠一郎(通称・ジョー、オダギリジョー)と出会いを果たし、次第に距離を縮めていくことになったるい。だが、関西一のトランぺッターを選ぶコンテストでジョーが優勝したことを機に、ジョーは東京で生活を始めることになる。だが、ジョーの悪いうわさが耳に入ったり、レコーディングやライブが延期になったという知らせも届いたり、様子を聞こうと出した手紙も返事がないなど、怒とうの展開が続いている。二人の関係は、いかなる結末を迎えるのか? 葛藤と成長を繰り返するいに見事にふんした深津の演技とともに目が離せない。(編集部・大内啓輔)
Q:「カムカムエヴリバディ」に出演することを決められた理由を教えてください。
「3人のヒロインで100年の物語をつくりたい」というチーフ・プロデューサー堀之内さんの強い気持ちと、藤本有紀さんの脚本にすごいものを作ろうとする迫力を感じたので、「私に何かできることがあれば」と思いお引き受けしました。でも、なんでもっと冷静に考えなかったんだろう(笑)。改めて藤本さんが描くキャラクターやストーリーに「とんでもないものを引き受けてしまった」と今さらドキドキする毎日です。でも、岡山編のみなさんが、あの波乱に満ちた大変な物語を、心を込めて演じられている姿を見ていたら、ここで私が「どうしよう」なんて言っている場合じゃない。きちんとひなた(川栄李奈)にバトンを届けなければいけないと、全力で撮影に臨んでいます。
Q:ご自身の役柄を演じるにあたって意識されたことは?
岡山編にもう「るい」の全てがありました。私は余計なことをせずに、ただ存在していられたらと思っています。るいは、見ている方々が同じ気持ちで寄り添ったり、自分と重ね合わせるのがすごく難しいキャラクターなので、そこは繊細に考えなければいけないですよね。それに、喜怒哀楽を上手に表せないので、彼女の感情の揺れを、どれくらい表現するべきなのかも気をつけています。るいの生い立ちや育ってきた環境を考えると、年齢よりも大人びた面がある一方、どこか抜け落ちた子どもっぽい面もあるのかなと思いました。そんなるいの、でこぼこした感じがうまく出せたらいいなと。
Q:印象に残っているシーンは?
竹村クリーニング店の平助さんと和子さんご夫婦と会って初めてお茶の間でお煎餅をいただくシーン。すごく緊張しました。というのも、それがるい編の初日に撮ったシーンだったんです。岡山にいた十何年間で、きっとるいの心はとっても固く閉ざされていて。本当の気持ちをなかなか表さなかった女の子が、全く見ず知らずのお宅にあがって、あたたかさに触れ、心を開放する。私の感情がうまくコントロールできなくて、何テイクもやらせていただいたんです。それを、村田さんとマリさんのお二人が見守ってくださいました。言葉ではなく、私たちはここにいるから大丈夫だよっていう空気をつくってくださって。お二人にご迷惑をかけたと思うんですけれど、そのつまづきみたいなものがあったからこそ、一気にお二人との関係をつくれたような、みんなで手を取り合えた気がしてとっても大事なシーンだったなと思います。
Q:放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。
安子編からずっとこの作品を見守ってくださっている視聴者の方々に、ひなたの最後までを見守っていただけることが私の願いです。今放送中のるいの時代のエピソードが、ひなたの時代に紡がれていきます。次はひなたの気持ちに寄り添って、毎朝この物語を楽しんで見ていただけたらうれしいです。