『ザ・バットマン』知能犯リドラーと新バットマンは“コインの裏表” 新たなアプローチで実写化
DC映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(3月11日全国公開)で悪役リドラーを演じたポール・ダノがリモートインタビューに応じ、原作コミックや過去の映像化作品とは全く異なるアプローチで誕生したリドラーについて語った。
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ロバート・パティンソンが主演を務める『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は、バットマンとして活動を始めて2年が経過した、若きブルース・ウェインの物語。本作のメインヴィランとなる知能犯リドラーは、ゴッサムシティで起こる連続殺人事件の犯人を名乗る男で、殺害現場に必ず“なぞなぞ”を残し、バットマンやゴッサム市警を翻弄する。
リドラー役に抜てきされたポールは、監督のマット・リーヴスから受け取った脚本を読んで衝撃を受けたという。「リーヴス監督のビジョンがいかに明確なものか、驚きと衝撃でいっぱいでした。非常に明確かつ鋭い視点で、予告編で見られるアクションや動作も、はっきりとイメージできたんです。とても大胆でしたよ。ストーリーで暗示される感情も読み取れて、役者として最高に興奮する入り口でした」
ポール曰く、リドラーが登場するシーンはいずれもミステリアスでノワール調だという。リーヴス監督版のリドラーはゾディアック・キラーを参考にしており、ポールも「これまで観た映画、読んだコミックとは全く異なるアプローチで描かれています。オーディエンスは、本作がまるで現実世界で起きているのではないかと恐怖を抱くはずです」とリアリティー溢れるリドラーの誕生に手応えを感じていた。
「リドラーは彼なりの目的や意図がはっきりしているので、単なるシリアルキラーだとは思っていません。バットマンはブルースの両親が死んだトラウマによって誕生した存在で、リドラーはバットマンと正反対、いわばコインの裏表のような関係なんです。善の方向へと向かうこともあれば、悪の道もあり得る。本作では物事が白黒はっきりしない、グレーな部分が多いです。その分キャラクターを掘り下げていく甲斐があります」
ストーリーについてはネタバレとなるため、あまり多くを語らなかったポール。しかし、映画の核心に迫るとあるシーンの撮影が印象的だったという。「詳しくは語れませんが、ある重大なシーンでかなりのエネルギーを消費する必要がありました。キャラクターに成り切った状態でかなりのエネルギーを費やしたので、大変な撮影ではありましたが、素晴らしい経験でした」
かつて、ジム・キャリーが映画『バットマン フォーエヴァー』(1995)で演じていたリドラーを引き継いだポール。「ジム・キャリーは『エース・ベンチュラ』『ジム・キャリーはMr.ダマー』『マスク』なども大好きで、私が幼い頃、初めて夢中になった俳優です。リドラーに関して言えば、彼のバージョンはあえて参考にはしていません。『バットマン』という歴史あるシリーズは作品ごとに解釈が違うので、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』でも自分なりの解釈でリドラーを演じたかったからです」と語っていた。(編集部・倉本拓弥)