「鎌倉殿の13人」片岡愛之助、北条宗時の生きざまは「本当に素敵」
小栗旬主演、三谷幸喜脚本による大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)で主人公・北条義時の兄・宗時を演じた歌舞伎俳優の片岡愛之助が、6日に放送された第5回「兄との約束」の撮影を振り返った(※以下ネタバレあり。5回までの詳細に触れています)。
本作は、鎌倉時代を舞台に、源頼朝にすべてを学び武士の世を盤石にした男・北条義時(小栗)が、いかにして武士の頂点に上り詰めていったのか、その軌跡を追う物語。第5回では、頼朝(大泉洋)の一党が堤館と山木館を立て続けに襲撃して勝利し、坂東での政の第一歩として土地の分配を開始。しかし、これを知った平家方が激怒し、相模の大庭景親(國村隼)が梶原景時(中村獅童)ら3,000の兵を率いて出陣。圧倒的な兵力の差に、頼朝らは苦境に立たされることになる。
宗時は流人だった頼朝をかくまい、北条家、そして義時の運命を大きく動かすことになった人物。「打倒平家!」を訴える熱い男。その一方、何かと勢いで行動を起こしがちで、物事を良い方にしかとらえない節があり、頼朝が「北条の者はことをたやすく考え過ぎる……」とぼやく場面も。また、面倒なことがあると「任せた!」と義時にムチャぶりする癖があり、義時はそのたびに右往左往。その調子の良さや楽観的な性格が視聴者に親しまれていた。
第5回ではそんな宗時に悲劇が。それは頼朝の一党が大庭らに惨敗した時のこと。宗時が動揺する頼朝のため、北条館の離れに置いてきた本尊の観音像を取りに向かった先で起きた。放送後、ドラマの公式Twitterでは愛之助のコメントが公開。愛之助は義時との別れのシーンを、こう振り返っている。「小四郎、弟(義時)との今生の別れとなるシーンでした。我々は台本を読んでそのことを知っていますが、本当の宗時と義時はそんなことを知らない。だから“今生の別れ”という演技ではなく、坂東武者の世を作りたいという本心を義時に打ち明けて、『よし、行ってくる!』というふうに演じています。最後に歩いて去るときにいろいろなことを思いそうになりましたが、集中して、『行ってくる!』という気持ちで勤め上げました」
5回では、宗時が義時に「実は平家とか源氏とかそんなことはどうでもいいんだ」と自身の真の目的を打ち明ける場面も。愛之助は宗時の生きざまについて「坂東武者の世を目指すというのはすごくハードルが高いと思うんですけれども、やはり大志を抱くというのはいいことだと思います。だからこういう思いで突き進んだ宗時という人は本当に素敵だと思います。自分も実際に宗時の立場だったら、そうしたかも知れません」とシンパシーを寄せながら語っている。(編集部・石井百合子)