池松壮亮「新しいことに一緒に挑戦」松居大悟監督との関係を語る
池松壮亮と伊藤沙莉が12日、都内で行われた映画『ちょっと思い出しただけ』の公開記念舞台あいさつに出席。本作でタッグを組んだ松居大悟監督の印象を明かしあった。この日の壇上には池松と伊藤、松居監督とともに共演者の永瀬正敏も登壇したほか、イベントMCを出演者の一人である屋敷裕政(ニューヨーク)が務めた。
本作は、本作は、映画『くれなずめ』などで知られる松居監督が尾崎世界観(クリープハイプ)の楽曲に着想を得た物語を映像化したラブストーリー。怪我でダンサーの道を諦めた照生(池松)と、タクシードライバーの葉(伊藤)の別れを迎えたカップルが過ごした6年間が、1年ずつ同じ日をさかのぼるようにして描かれる。第34回東京国際映画祭ではコンペティション部門に選出され、観客賞とスペシャル・メンションを受賞した。
池松は、松居監督とは2010年のラジオドラマ「相方のあり方」や2012年の舞台「リリオム」、2018年の映画『君が君で君だ』など、何度もタッグを組んできた。「最初に会ったのは20歳の時くらい。長い付き合いです」と感慨深げに紹介すると、監督との関係について「毎回新しいことに一緒に挑戦できていて、毎回やることが違う。お互いアップデートしながらいい関係でやっています」と述べる。
一方、松居組は初めてだったという伊藤は「撮影現場で(スタッフの)みんなが松居さんを支えている感じがしました。松居さんも独特の世界観があるんですけど、それをいかに実現するのか、みんなが松居さんに寄り添っている感じがしました」とその印象を語る。「松居さんの頭の中で広がる世界は松居さんにしかない。それを叶えるのも止めるのも松居組のみんな次第でした」と撮影を振り返った。
この日は、バレンタインデーにちなんだ過去の印象的な思い出を明かしあう一幕も。池松は「小学校1、2年生の時ですが、バレンタインデーをフライングして、(いきなり)チョコレートをくれた人がいて、それが僕がまだ物心がついたばかりだった頃なので恥ずかしくて……」と自身の体験を紹介。「チョコを家に持って帰って親に見せるのも、食べるのも恥ずかしくて。帰り道、近所の空き地に投げたんです。そしたらそのあと、そこにすごく綺麗な家が建って、それが茶色い家で……」とユーモアたっぷりのエピソードを披露。これには会場も登壇者も大爆笑だった。
イベント終盤には、俳優生活39周年を迎えた永瀬に松居監督から花束が贈呈される演出も行われた。この日は、永瀬のデビュー作でもある映画『ションベン・ライダー』(相米慎二監督)の公開日でもあることから、サプライズでの祝福を受けた永瀬は「台本になかった演出なので驚きました」と感激しきりだった。(取材・文:名鹿祥史)
映画『ちょっと思い出しただけ』は公開中