清水尋也、反響呼んだ殺人鬼役は「ダントツ気持ち悪い」
衝撃作『岬の兄妹』などで知られる片山慎三監督の新作映画『さがす』で連続殺人鬼を怪演した清水尋也が、15日に都内で行われた舞台挨拶で「間違いなく僕の代表作になった」という本作の撮影の裏側や、演技に寄せられた感想についての思いを語った。
本作は、自閉症の妹に売春をあっせんする兄の過酷な現実を描いた2019年公開の映画『岬の兄妹』で注目を浴びた片山監督が、忽然と姿を消した父・智(佐藤二朗)と必死に父を捜す中学生の楓(伊東蒼)の行く末を描いたサスペンス。1月21日より全国23館で公開された本作は、2月15日時点で興行収入5,500万円を突破し、観客動員数は4万人に迫るヒットを記録。2月18日からは追加19館での拡大公開が決定し、上映館数はのべ70館を超えた。
本作で、消えた父になりすました指名手配中の連続殺人犯・山内照巳を演じた清水。15日に行われた片山監督との舞台挨拶では「知り合いからたくさん連絡があったが、“キモイ!”という感想が一番多かった。山内はこれまで演じた中でもダントツに気持ち悪い役柄。みんなに“キモッ!”と思わせられたということは、それだけ役柄がしっかりと伝わったということ」と役に対する反響を喜んだ。
爪を噛む癖があり、得体のしれないキャラクターを怪演する清水に、楓役の伊東蒼は“目をそらしたら、隙を突かれて殺されるんじゃないか”と話していたとも。清水は「ヒールとして物語の中で強く存在できればいいと思っていたので、山内が画に出ると温度が下がるような、そんな不穏な空気感を意識。目つきもシーンや状況によって変えていきました」とそのアプローチを回顧。
一方、片山監督は山内に現代の若者の生きづらさを託したといい「若い世代の人たちに“山内はただの悪役ではないぞ”と感じてもらい、共感できる部分を少しでも見出してもらえたら」と呼びかけ。山内を創造するにあたって、実在の殺人犯と面会を重ねたことを明かしたうえで、「面会に現れたのは意外にも普通の青年だった。まさかの“普通”という逆の衝撃を受けたことから、山内には普通っぽさを求めました。それを清水さんは上手く表現してくれた」と清水の表現力に賛辞を送った。(編集部・石井百合子)