日本初!『マイスモールランド』ベルリン国際映画祭で特別表彰 嵐莉菜&奥平大兼らがコメント
映画『マイスモールランド』(5月6日公開)が、第72回ベルリン国際映画祭に出品された全ての作品から選出されるアムネスティ国際映画賞のスペシャル・メンション(特別表彰)に輝いた。なお、2005 年から17年間続くこの映画賞で日本作品が栄誉を受けるのは、今回が初となる。
アムネスティ国際映画賞とは、国際人権NGO「アムネスティー・インターナショナル」が、ベルリン国際映画祭で上映された作品の中から人権問題をテーマにした作品に対して授与する賞のこと。審査員らは「世界中で起こりうる出来事を、力強く語った映画作品だと思いました。難民への非人道的な扱いを批判しながら普遍的テーマを描いています。作品から学ぶことが多く、ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います」と作品に対してコメントしている。
本作は、是枝裕和が率いる映像制作者集団・分福の川和田恵真監督の商業映画デビュー作。在日クルド人の少女サーリャが、あるきっかけで在留資格を失い、自身のアイデンティティーに葛藤しながらも成長する姿を描く。
今回の受賞について、川和田監督は「世界中の人々の人権のために活動されているアムネスティー・インターナショナルより『マイスモールランド』の普遍性や力強さを評価いただけたこと、大変嬉しく思います。国籍を問わずより多くの人々に、この作品が届くきっかけになることを願っています」とコメントを寄せた。さらに、主人公のサーリャを演じた嵐莉菜は「人種や民族に関する問題は、形を変え、世界中どこでも起こっていると思います。この映画を観て何か関心を持つきっかけになってもらえたら嬉しいです」、主人公の相手役となる聡太を演じた奥平大兼は「日本に住むクルド人の方々について、僕は演者としてこの映画に関わらせて頂いて、初めてしっかりと考えることができました。そして映画として作品にするのはとても難しいことだと感じていました。それがこのようにベルリン映画祭の舞台で評価していただけてとても嬉しいです」とそれぞれ喜びのコメントを発表した。(今井優)