『ザ・バットマン』キャストも携わった唯一無二のコスチューム秘話
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(3月11日全国公開)でバットマンを演じたロバート・パティンソン、キャットウーマン役のゾーイ・クラヴィッツ、リドラー役のポール・ダノがリモートインタビューに応じ、各キャラクターのコスチュームについて語った。
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バットマンを名乗って2年目となる、若きブルース・ウェインの姿を追う本作。『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』などで知られるマット・リーヴス監督の手によって新たな解釈で描かれるキャラクターは、コスチュームも一新されており、ロバートらキャスト陣は、『シラノ』でアカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされている衣装デザイナー、ジャクリーヌ・デュランと共にデザイン製作に携わっている。
唯一無二のバットマンスーツを目指したロバート。今回着用するコスチュームについて、「非常に威圧的な見た目ですが、同時に実用的なバットマンスーツです。オーディションの時に歴代のスーツを試着させてもらえたのですが、歴代のものはスーパーヒーローであることを象徴する見た目です。一方で、本作のブルースは毎晩バットマンスーツを着て戦うので、血が付着していたり、随所に切り傷や弾痕が見られます。それが非常に興味深く、こんなバットマン映画は初めてという感覚になりました」と驚きを隠せなかった。
劇中ではブルースがバットマンスーツを着用する時間が長いそうで、ロバートは「バットマンスーツを着用しながら、長い会話劇やエモーショナルなシーンに挑戦するので、細かな動作も表現できるようにしたい」とジャクリーヌに注文。彼女はロバートの要望通りのスーツを用意してくれたそうで、「バットマンスーツが細かく可動して、エレガントさも増したんです。首も自在に伸ばせるようになっているので、私が求めたエイリアンのような首の動作も可能になりました」と満足そうに語った。
バットマンがゴッサムで多発する連続殺人事件の真相を追う途中で出会うのが、キャットウーマンことセリーナ・カイルだ。本作のセリーナは、移動手段としてバイクを使用することがほとんどで、ゾーイ曰く彼女のコスチュームはライダースジャケットをベースに製作されたという。
「正確に言うと、セリーナはまだキャットウーマンではないので、彼女がいずれキャットウーマンを名乗るという種まきをしながら、バイク用のスーツとして実用性があるものに仕上げる必要がありました」とゾーイ。バットマンと同じく機能性を重視したキャットウーマンスーツを製作するのは、「新作のジーンズを作ることと同じくらい難しかった」そうで、「スーツの細かな部分を少し変えてしまうだけで、全体の印象が変わってしまうので、非常に繊細な作業が求められました。それでも、一つ一つの工程はすごく楽しかったですし、ジャクリーヌは素晴らしい仕事を成し遂げてくれました」とデザイナーとの仕事を回顧した。
『ザ・バットマン』のメインヴィランとして登場するリドラーは、連続殺人事件の真相に迫るバットマンに“なぞなぞ”を残す知能犯。ロバートやゾーイと同様、ジャクリーヌとデザイン決めに参加したポールは「マットとジャクリーヌらと共に、リドラーのベストな見た目を模索して行きました」と明かすと、「マットが執筆した素晴らしい脚本を土台に、何種類ものデザインを検討しました。全てのプロセスが、リドラーをより深く見せるためのもので、コスチュームの細部まで確認しています。新たな解釈のリドラー誕生に貢献できたことが嬉しいですし、役者が参加してのデザイン決めは非常に効果的だとわかりました」と自らも携わった製作過程を振り返っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)