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のん、監督・主演作で自覚した表現への思い 劇場公開迎え「感動」

目を潤ませて思いを語る場面もあったのん
目を潤ませて思いを語る場面もあったのん

 女優・のんが、25日に都内で行われた、監督、脚本、主演を務めた映画『Ribbon』の初日舞台あいさつに登壇し、時に目を潤ませながら、制作を通して自覚した思いを振り返った。

のん、ミニ丈スーツで登壇『Ribbon』初日フォトギャラリー

 本作は、新型コロナウイルスの影響で卒業制作発表の場を奪われた美大生・いつか(のん)と、周囲の人々との日々を描く青春ドラマ。卒業制作展が中止になり、失意のなか漫然とした毎日をすごす主人公の葛藤と再生を描く。

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 長編監督作の劇場公開を迎えたのんは、「うれしくてうれしくて……。今、感動で打ち震えています」と感慨深げ。集まった観客を見渡し「劇場で初めての作品ということで緊張していたんですが、こうして観ていただけるのは本当にうれしいです」と笑顔を見せる。

 本作を撮るきっかけとなったのは、2020年における新型コロナウィルス流行の第一波。「2020年の自粛期間中は、不要不急の外出を控えるようにというアナウンスが毎日のように流れていて、そのなかにエンタメや芸術(鑑賞)なども入れられていました。エンタメや芸術は不要不急なのか、論争も過熱するなかで、実際に舞台が中止になったり、わたし自身も予定していた音楽フェスを中止せざるを得なくなったり。それで生活している身としては、自分自身が否定されている気にもなりました」と当時の思いを振り返る。

 そのうえで「でもそんななか、あらためて自分はこれ(表現)が好きなんだっていうのをすごく自覚しました」というのんは、「仕事というのを抜きにしても、自分はエンタメとか芸術を見てきて、そういうものに影響されて、形作られているんだというのをすごく思い知らされました。そのなかで『Ribbon』という映画を作れた、残せたというのは、これから自分が活動していくうえで大きな支えになりました」と語った。

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 さらにのんは、目を潤ませ、声を震わせながら「この映画を撮れたからこそ、今こうして、ステージに立って、皆さんとお会いできているというのが、うれしいです」とコメント。「自分が作っていく、表現していく人として、観てくれる人とつながる、そういう作品になったと思います」と力強く思いを語る姿に、会場からは拍手が送られた。

 コロナ禍を受けて出演者の登壇はなく、のん一人での登壇となったこの日の舞台あいさつも。それでも、のん演じる主人公・いつかの友人を演じた山下リオと、いつかが公園で出会う男性を演じた渡辺大知が、それぞれ公開を祝福するメッセージを寄せ、初日の会場に花を添えていた。(取材・文:名鹿祥史)

映画『Ribbon』は全国公開中

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