時空を超えた愛に胸キュン…青春タイムリープ映画をピックアップ!
福本莉子と松田元太(Travis Japan/ジャニーズJr.)が主演を務める映画『君が落とした青空』が現在公開中。タイムリープに陥った女子高校生が、交通事故に遭う運命にある恋人を助けようとする本作をはじめ、胸キュンな恋愛とも相性ばっちりなタイムリープものの青春映画を紹介する。
『君が落とした青空』(2022、Yuki Saito 監督)
小説アプリ「野いちご」で発表された櫻いいよの同名小説を実写映画化したラブストーリー。交際して2年の実結(福本莉子)と修弥(松田元太)は、毎月1日に一緒に映画を観に行くことを約束にしていた。だが、あるとき、修弥は急用があるとキャンセルし、不安めいたものを感じた実結の目の前で修弥は交通事故に遭ってしまう。実結が目を覚ますと事故当日に戻っており、タイムリープを利用して事故を回避しようとする……。
三角関係などの展開も絡めた青春タイムリープものとして、王道を追及。映画初出演にして初主演を飾る松田と、2020年公開の『思い、思われ、ふり、ふられ』や7月29日に公開を控える『今夜、世界からこの恋が消えても』など、青春ものへの出演が続く福本の瑞々しい演技も注目ポイントとなっている。
『君と100回目の恋』(2016、月川翔監督)
シンガーソングライターのmiwaと、今も活躍が止まらない坂口健太郎が主演を務めるラブストーリー。誕生日である7月31日に、事故に遭ってしまった大学生の葵海(miwa)は、目を覚ますと事故に遭う1週間前の教室にいた。混乱する彼女の前に幼なじみの陸(坂口)が現われ、時間をさかのぼれる不思議なレコードを使って何度もタイムリープして事故から救っていたと告げる。二人とも抱いていた恋心を伝えられずにいたが、この出来事を機に1年前へと戻って恋人同士になって楽しい時間を過ごす。そして運命の時が近づき……。
小道具として登場するアナログレコードが物語を象徴する重要なモチーフに。ときめきと切なさが詰まった物語に加え、鍵となるmiwaによる書き下ろし楽曲や、葵海や陸が大学の仲間と組んだ劇中バンド「The STROBOSCORP(ストロボスコープ)」の音楽なども見どころとなる。
『江ノ島プリズム』(2013、吉田康弘監督)
幼なじみの男女3人が紡ぐ淡い恋愛と友情に、タイムトラベルの要素が交錯する青春ストーリー。小学生の頃からの親友同士である、高校生の修太(福士蒼汰)、朔(野村周平)、ミチル(本田翼)。海外留学が決まったミチルの手紙を受け取り、空港へ向かった朔だったが、そのまま命を落としてしまう。それから2年、空虚な日々を送っていた修太は、ある本に書かれた時空移動の方法を実践してみると、朔が死亡する前日に戻っていて……。
美しい江ノ島の風景を背景に描かれる淡い恋心が瑞々しい本作。切なさたっぷりな物語とともに、江ノ電がタイムマシーンのような役割を果たすという設定も興味深い。幼なじみ役である3人の共演は、のちの月9ドラマ「恋仲」でも実現している。
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016、三木孝浩監督)
七月隆文のベストセラー小説を映画化したファンタジックなラブストーリー。京都の美大に在籍する20歳の南山高寿(福士蒼汰)は、電車で大学へ向かっているときに出会った福寿愛美(小松菜奈)に心を奪われる。高寿は愛美に声を掛けると、高寿のある一言を聞いた途端に涙を流す愛美。その理由を尋ねることができずにいた高寿だったが、二人は付き合うことになり、順調に交際は進んでいく。幸せな日々がいつまでも続くと考えている高寿だったが、愛美から思いも寄らなかった秘密を打ち明けられる……。
恋愛青春映画の名手ともいうべき三木孝浩監督の手腕が存分に発揮。光を用いたキラキラとした演出はファンタジックなストーリーに説得力を与えている。初共演となった福士と小松のデートシーンの表情も生き生きと輝き、映画があった後には濃厚な余韻が訪れること必至だ。
『九月の恋と出会うまで』(2019、山本透監督)
「書店員が選んだもう一度読みたい文庫」の恋愛部門でトップに輝いた松尾由美の小説を実写映画化。一風変わったマンションに引っ越してきた北村志織(川口春奈)の隣の部屋では、不思議な雰囲気を醸す小説家志望の平野進(高橋一生)が暮らしていた。ある夜、志織は部屋の壁から「1年後の未来にいる」という男の声を聞き、声の主に平野の尾行を頼まれる。しかし、ある事件をきっかけに聞こえなくなり、あの声は何だったのか解明しようとする志織と進だったが……。
実年齢では10歳以上の年の差がある高橋と川口は本作で初共演ながら相性抜群。高橋ふんする平野は、ふわっとしたパーマに丸眼鏡というお洒落な雰囲気で、ときおり寝癖をつけたままでも平気なところもある愛すべき人物。青春ものとはひと味違う落ち着いた魅力を醸し出しており、タイムパラドックスなどのSF的な要素も絡めたミステリー展開も興味深い。
ほかにも、タイムリープを用いた青春映画は盛りだくさん。未来からの手紙によって10年後の自分が後悔していることを知った女子高生が大切な人を救おうとする『orange-オレンジ-』や、ヒロインが亡くなる直前に告白したことを悔やむ主人公がタイムリープでやり直そうと奮闘する『二度めの夏、二度と会えない君』なども、かけがえのない時間の大切さを伝えてくれる作品だ。(編集部・大内啓輔)