「仮面ライダーオーズ」渡部秀、新作現場での三浦涼介の笑顔に「何よりもうれしかった」
特撮ドラマ「仮面ライダーオーズ/OOO」(2010~2011)の完全新作『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』の完成披露舞台あいさつが28日に新宿バルト9で行われ、渡部秀(火野映司役)が撮影現場で見た三浦涼介(アンク役)の笑顔に「本当にうれしかった」と思いを語った。この日は渡部と三浦とともに高田里穂(泉比奈役)、君嶋麻耶(後藤慎太郎役)、岩永洋昭(伊達明役)も来場した。
本作は、仮面ライダーオーズこと火野映司と欲望が生み出す怪人グリードの戦いを描いた『仮面ライダーオーズ/OOO』のシリーズ完結編。古代オーズの復活によって混沌とする世界で、オーズが新たなバトルに身を投じる姿が描かれる。この日の舞台あいさつは本編上映後に実施され、鑑賞したばかりの観客の前に立った渡部が「このようなご時世の中、仲間と撮ることができて大変光栄です。この作品は、思い返すと本当に奇跡の連続でした」とあいさつ。三浦も「今日はこの最高のメンツと一緒に、最高のトークをお届けします」と呼びかけた。
そんななか、岩永が「私は妻をめとり、子をもうけて5年の月日がたってしまったのですが、今宵だけはあの当時のまま、あなただけの永遠の恋人に戻ろうと思います」とおどけると、会場からは大きな拍手が起こるもキャスト陣は失笑。その様子に渡部は「(第34回東京国際映画祭での)制作発表の時、岩さんは一緒に居合わせることができなかったので、みんなで並ぶのは今回が初めて。本当にうれしい」と笑顔を見せつつも、岩永のコメントについては「アイドリングは失敗しましたが、楽しい舞台あいさつができることを本当にうれしく思います」と付け加えた。
その渡部は本作について「延べ2年くらいかかっていますが、構想段階も含めていろんな方々の意見やお力添えを得て形になりました。衝撃的な内容ではあるのですが、僕もまさにこれがオーズだなと受け止めています」と語る。三浦も「受け入れるまでに時間がかかりましたが、自分の思いをどう役にのせて、存在できるかを日々考えていました。現場に行って芝居をするなかで、スタッフのみなさんの空気作りと優しさに囲まれ、徐々に自分なりに落とし込んでいけたかなと思っています」と振り返った。
渡部によると、本作の撮影と並行して新作スピンオフ「オーズ10th 仮面ライダーバース バースX誕生秘話」の撮影も行われていたという。「スピンオフは本編と雰囲気も違って、もう少し明るい前日譚になっている」と語る渡部は「だから緩急がついていて、楽しいタイミングも、みんなで引き締める感じもある、当時と変わらないメリハリのある現場でした。そんななか、とにかくりょん君(三浦)が笑ってくれたのが何よりもうれしかったし、キャストもスタッフも全員が楽しくて。このご時世、気持ち的に逼迫してしまうことが多いのですが、オーズという作品をやっていくことが僕らの生きる糧にもなりました。役者としてもエンターテイナーとして貴重な体験をさせていただいたと改めて思います」と充実感をにじませる。
一方の三浦も「とにかく朝起きるのが楽しみで、朝から元気いっぱいでした。当時はコミュニケーションが難しい時もあったんですけど、今回はみなさんと一緒に会話をする機会も多かった」と笑顔。高田も「私はアンクと映司が素晴らしすぎて泣きました」と感じることも多かったようだ。
和気あいあいとした舞台あいさつも終わりを迎え、コメントを求められた渡部は「放送終了から10年以上が経ちますが、ここまで素敵な作品にめぐり会えたのは一生の財産ですし、これからも一生変わりません。これが僕の原点だなと実感した、そんな作品でした」と切り出す。続けて「いつかみなさまの前に、どんな形でもいいので、仮面ライダーオーズという作品を楽しんでいただけるような未来が来ることを思い描いて、今回の舞台あいさつに代えさせていただけたら」と呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)
Vシネクスト『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』は3月12日より新宿バルト9ほかにて期間限定上映