主演男優賞は『ドリームプラン』ウィル・スミス！3度目のノミネートで悲願の初受賞
第94回アカデミー賞
第94回アカデミー賞授賞式が28日（現地時間27日）、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、映画『ドリームプラン』のウィル・スミス（53）が主演男優賞に輝いた。通算3度目のオスカーノミネートで、悲願の初受賞となった。
『ドリームプラン』は、世界最強のテニスプレイヤーと称されるビーナス＆セリーナ・ウィリアムズ姉妹を、独自の指導書に沿って育て上げた父親の実話に基づく物語。ウィルは、テニス未経験ながら常識破りの教育法で娘たちを鍛える破天荒な主人公リチャード・ウィリアムズを演じた。
リチャードが憑依したかのようなウィルの演技は、実際に撮影現場を訪れたウィリアムズ姉妹も絶賛するほど。彼女たちの評価通り、オスカー前哨戦となるゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞、全米映画俳優組合賞（SAG賞）で主演男優賞を獲得。『ALI アリ』（2001）、『幸せのちから』（2006）に続く3度目のアカデミー賞ノミネートで、見事オスカー像を手にした。
ウィルはこの日、ドキュメンタリー部門のプレゼンターとして登壇したクリス・ロックをステージ上で平手打ち。妻のジェイダ・ピンケット＝スミスに向けたジョークに激高したとみられ、騒動の後、ステージ脇で同じく候補者だった、デンゼル・ワシントンに肩を抱かれた姿が放送されていた。
涙のスピーチの間、ウィルは「ありがとうデンゼル、彼はさっき『最高の瞬間には、悪魔がやってくるから気をつけろ』と言ってくれたんです」と発言。「アカデミー賞に謝罪したい。ノミネート候補者みんなに謝りたい。これは美しい瞬間であり、僕は勝ったから泣いているんじゃありません。僕にとって賞は目的ではなく、すべての人に光をあてることができたということなんです」と語ると、全てのスタッフとキャスト陣に光を当てることできたと感謝。そのうえで「アートとは人生を模倣するもの。私は怒り狂った父親のように見えるでしょう。（自分が演じた）リチャード・ウィリアムズが言われたように。でも、愛はあなたを狂わせるものです」と語った。
主演男優賞には、ウィルのほか、ハビエル・バルデム（『愛すべき夫妻の秘密』）、ベネディクト・カンバーバッチ（『パワー・オブ・ザ・ドッグ』）、アンドリュー・ガーフィールド（『tick, tick...BOOM!：チック、チック…ブーン！』）、デンゼル・ワシントン（『マクベス』）がノミネートされていた。（編集部・倉本拓弥）
第94回アカデミー賞授賞式は、3月28日（月）午前7時30分よりWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドにて放送・配信中（午後10時より字幕版放送・配信）