助演女優賞は『ウエスト・サイド・ストーリー』アニータ役のアリアナ・デボーズ!
第94回アカデミー賞
第94回アカデミー賞授賞式が28日(現地時間27日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、映画『ウエスト・サイド・ストーリー』(公開中)のアリアナ・デボーズがオスカー初ノミネートにして助演女優賞を受賞した。
『ウエスト・サイド・ストーリー』は、1961年の映画版でも知られる名作ブロードウェイミュージカルを、スティーヴン・スピルバーグ監督が新たに映画化。1950年代のニューヨークを舞台に、移民系の二つのグループが抗争を繰り広げる中で芽生える恋の行方を描く。アリアナは、ヒロイン・マリア(レイチェル・ゼグラー)の兄ベルナルド(デヴィッド・アルヴァレス)の彼女であるアニータを繊細かつパワフルに演じ、ゴールデン・グローブ賞、全米映画俳優組合賞(SAG賞)、英国アカデミー賞などのアカデミー賞前哨戦を席巻。最有力候補として、見事にオスカー初受賞を果たした。
壇上で信じられないといった表情で客席を見渡したアリアナは、「(自身の演じた)アニータがアメリカにいたいと言っていた理由がわかります。この疲弊した世界においても、夢は叶うんです。そしてそれは、非常に勇気を得られることです」と切り出すと、元祖アニータ役女優で、本作にバレンティーナ役で出演したリタ・モレノをはじめ、スピルバーグ監督や母親に感謝。
そして最後に「白いフォードの後部座席に乗った少女を想像してみてください」と語り出したアリアナは「彼女の目を見てください。アートを通して自分の強さと人生を見出した、有色人種のクィアであり、アフロラティーナ(アフリカ系ラテンアメリカ)の女性です。自分のアイデンティティーに疑問を感じたことのある方、自分はグレーゾーンにいるんだと感じている方へ、私は約束します。私たちに居場所はあります」
アリアナは1991年1月25日生まれ、米ノースカロライナ州出身の31歳。「glee/グリー」のライアン・マーフィーによるミュージカル映画『ザ・プロム』(2020)などで知られ、『ウエスト・サイド・ストーリー』では情熱的でキレのある歌やダンスで観客を魅了した。今年の同部門にはアリアナのほか、『ロスト・ドーター』のジェシー・バックリー、『ベルファスト』のジュディ・デンチ、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のキルステン・ダンスト、『ドリームプラン』のアーンジャニュー・エリスがノミネートされていた。(編集部・小松芙未)
第94回アカデミー賞授賞式は、3月28日(月)午前7時30分よりWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドにて放送・配信中(午後10時より字幕版放送・配信)