アカデミー賞作品賞受賞『コーダ あいのうた』上映館拡大へ
第94回アカデミー賞で作品賞を受賞した映画『コーダ あいのうた』の上映館が、急遽4月1日より250館以上に拡大されることが決定した。
アカデミー賞では作品賞のほか、助演男優賞、脚色賞の3部門で受賞した本作。2014年に制作されたフランス映画『エール!』をリメイク。マサチューセッツ州の海辺の町を舞台に、4人家族の中で一人だけ耳が聞こえる長女(エミリア・ジョーンズ)が、歌の才能を認められたことをきっかけに夢と現実の狭間で葛藤するさまを追う。タイトルの「コーダ」とは、「Child of Deaf Adults」の略で、ろう者の親を持つ子どもを指す。
日本では1月21日に200館規模で劇場公開され、公開から2か月経った現在も140館での公開を維持。この度のアカデミー賞の受賞を受け週末より上映館を拡大し、翌週以降で300館以上に増やす見通しだ。
本作では耳の不自由な両親と兄を実際に聴覚障害のある俳優たちが演じており、父フランクを演じたトロイ・コッツァーが助演男優賞を受賞。聴覚障害のある俳優がオスカーで受賞するのは『愛は静けさの中に』(1986)で主演女優賞を受賞したマーリー・マトリン以来35年ぶり、男優では初となる。本作ではコッツァーとマトリンが夫婦役で共演している。(編集部・石井百合子)