朝ドラ「ちむどんどん」ヒロイン・黒島結菜が撮影現場で見せる人間力
黒島結菜がヒロインを務める2022年度前期の連続テレビ小説「ちむどんどん」(月~土、NHK総合・午前8時~ほかにて放送、土曜は1週間の振り返り)が4月11日よりスタート。放送を直前に控え、制作統括を務める小林大児チーフ・プロデューサーが撮影の様子を明かした。
連続テレビ小説の第106作にあたる「ちむどんどん」は、沖縄に生まれ育ち、ふるさと沖縄の料理に夢をかけたヒロインと、個性豊かな沖縄のきょうだいたちが織りなす人間模様を描く物語。黒島ふんするヒロインの比嘉暢子は四人きょうだいの次女で、沖縄の本土復帰と共に上京し、西洋料理のシェフを目指すために修業をしながら青春を送り、やがては東京で沖縄料理の店を開くため奮闘することになる。
昨年9月にNHK放送センター内のスタジオでクランクインし、現在は物語の中盤あたりを撮影中という。ヒロインの黒島について、小林は「セリフ劇なので、セリフを覚える量がどうしても多くなるわけですが、その記憶力はすごいなと感心しています」とのことで「きっと目に見えないところで努力されているんだと思います。しかし、撮影現場ではむしろ、のんきに撮影を楽しんでくださっているようで、それはありがたいなと思っています」と語る。
撮影には大勢のスタッフが関わることになるが、そのスタッフの名前を覚えたいと思ったという黒島は、自ら手書きでスタッフ全員の名札を作り、初顔合わせの時に配ったという。小林は「黒島さんが裏方のスタッフとも交流を図ってくれて、みんな喜んでいます」と明かし、「ご一緒してみてわかったんですが、黒島さんは自分が演じるということにおいて、ものすごくハイレベルな仕事をしてくださる。そして、それ以外の部分でも、100人近いスタッフやキャストと一緒に作るわけで、そのユニットの一人であるということを意識されているんだなと思いました」という。
そして「きっと彼女にとっては同じ仲間であるスタッフにも気さくに声をかけてくださいます。例えばロケ現場でも、ものを運んだり、風が強いときに俳優さんの髪に影響がないように毛布で風を切ったり、さまざまな仕事があるのですが、(黒島さんが)それを見て気がついたらやってくれていることもある。自分も映像を作る一員であるという思いで現場にいてくださるし、それは僕らにとっても親近感があるなと感じています」と黒島の人柄を明かした。
そんな黒島をはじめ、比嘉家の四きょうだいを演じるのは竜星涼、川口春奈、上白石萌歌という豪華キャスト。「主人公が沖縄を去った後も、沖縄に残るきょうだいもいる。だから家族が離れていても、お互いの人生を共有している部分は、物語としてはずっと大事にしていくので、主人公である暢子の冒険を追いつつも、4人の人生をそれぞれ楽しんでいただけるように工夫したい」という。
現場は和気あいあいとしているようで「沖縄のロケでは、もちろんマスクをしてですが、ちょっとした合間にお喋りして、僕らの見ていないところで積極的にコミュニケーションをとられたんだろうなと思いました」という小林。その“家族感”は東京のスタジオに戻ってからより強く感じたそうで、「お母さん役の仲間由紀恵さんも含めて、ある意味いちゃいちゃしている時間帯もあるし、誰かがちょっと面白いことを言えば、誰かがツッコむというように、談笑に花が咲く。はたから見ていても『ええ家族やな』という風情がスタジオに漂っていて。とてもすてきな感じになっています」
その関係性は芝居にも現れているようだ。「最初の頃はコミカルな芝居を撮っていて、テンポ感や間合いの勘がいい。それが相手役とのキャッチボールになったときに、その間合いがすごく魅力的になっている。羽原大介さんの脚本段階でイメージされたものよりも、人と人が間合いをとって演じると、さらにクスッと笑えるもの、ユーモラスなニュアンスが行間から受けとれる感じになったなと。これは役のことも相当考えて準備してくれたからこそ、テンポ感やノリのようなものが合うのかなと思いました」と満足げな表情を見せた。(取材・文:壬生智裕)
連続テレビ小説「ちむどんどん」は4月11日より放送開始