今夜『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』放送!あの名作からの影響も?
トム・クルーズが主演を務める人気アクションシリーズ第5弾『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』が、5月7日よる9時(一部地域を除く)よりフジテレビ系「土曜プレミアム」で放送。本編の見どころを紹介する。
スパイ組織IMFの敏腕エージェント、イーサン・ハント(トム)が挑む不可能なミッションの数々を描いてきた『ミッション:インポッシブル』。その第5弾となる『ローグ・ネイション』では、イーサンが謎の多国籍スパイ組織シンジケートの撲滅に挑むことに。
シンジケートを秘密裏に追跡していたイーサンは、催涙ガスによって敵の手に落ちてしまう。目覚めると後ろ手に拘束されており、目の前には謎の女と3年前に死亡したはずのエージェントがいた。まさに拷問が始まろうとしたその時、女は驚くべき格闘術でイーサンを脱出させる。ブラントからIMF解体を知らされたイーサンはシンジケートの殲滅を誓うのだが、彼は国際手配の身となっていた……。
『ミッション:インポッシブル』といえば、イーサン役のトム自らがこなす命がけのスタントが見どころだが、今作でももちろんトムは圧巻のアクションを披露している。6分間息継ぎナシで撮影された潜水シーンや、ヘルメットを着用せずにバイクで急カーブが続く山道をドリフト走行するなど、危険なスタントが次々に登場する。
冒頭、ベラルーシ・ミンスクでのミッションでは、高度1,500メートル、時速400キロメートルで飛行中の軍用機にしがみつくという荒業に挑んだ。想像を絶する風圧から目を保護するためにコンタクトを開発するなど、リアルなアクションにこだわったトムだが、このシーンではスーツを身に着けている。これは“サスペンスの神様”とも称されたアルフレッド・ヒッチコック監督の『北北西に進路を取れ』にオマージュを捧げたもの。
本作で監督を務めたのは、映画『ワルキューレ』(2008)以降、『アウトロー』(2012)をはじめ脚本家/監督としてトムとタッグを組んだクリストファー・マッカリー監督。好きな映画やその理由について意見を一致させるという二人は、名作への愛をこめてストーリーテリングのことなどを話し合ったという。とりわけトムが好きだというのは、ヒッチコック監督の『汚名』(1946)だという。『汚名』は、南米に潜伏するナチの残党を捕らえる任務を負った諜報員と、彼に協力して潜入スパイとなるヒロインの姿を描くサスペンスフルなスパイ映画。マッカリー監督いわく、ケイリー・グラントとイングリッド・バーグマンを理想に、撮影方法も『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』に反映されている。
「『汚名』ではクローズアップをとても気をつけて使っているが、今日のアクション映画の撮影に使われるテクニックは、カメラを揺らし、実際には危険はないという事実を隠すというものだ。危険に見えるのはカメラワークによってなんだ。僕たちがやろうとしているのは、そこから一歩引いて、アクションを傍観して展開させるということ。安全なやり方でアクションをやるより難しくなるけれど、僕たちはそうやっている」(シネマトゥデイのインタビューより)
シリーズ第1弾となる『ミッション:インポッシブル』のブライアン・デ・パルマ監督は、ヒッチコックへの強い愛情で知られているが、今作のおける巨匠からの影響に着目するのも一興だろう。キャストにはトムのほかにレベッカ・ファーガソン、ヴィング・レイムス、ショーン・ハリス、アレック・ボールドウィンなどが名を連ねている。(編集部・大内啓輔)