是枝裕和『ベイビー・ブローカー』は韓国ドラマにハマってキャスティング
『万引き家族』などの是枝裕和監督による初の韓国映画『ベイビー・ブローカー』（6月24日公開）の制作報告会イベントが10日、韓国で行われ、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン（IU）、イ・ジュヨン、リモートで是枝監督が参加した。
本作は「赤ちゃんポスト」に預けられた赤ん坊をめぐって出会う人々を描くヒューマンドラマ。『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホ、『新感染半島 ファイナル・ステージ』のカン・ドンウォン、『空気人形』のペ・ドゥナ、歌手IUとして知られるイ・ジウン、「梨泰院クラス」のイ・ジュヨンら豪華キャストが出演する。
先日、第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への出品も発表された本作。是枝監督は「あの場所は何度行っても本当に緊張しますし、喜びでもありますし、この作品にとっては本当に最高のワールドプレミアの場所に選んでいただいたなと思っています」とコメント。ソン・ガンホも「是枝監督の初めての韓国映画演出作ですし、こういう素晴らしい役者さんたちと一緒に行けるようになり、とても嬉しく思います」と喜んだ。
企画の始まりを問われた是枝監督は「ペ・ドゥナさんは一度映画をご一緒させていただきましたし、ソン・ガンホさんとカン・ドンウォンさんは映画祭でお会いさせていただいたり、日本へ新作のPRイベントで来日された際に上映に花束を持って参加させていただいたり……というような交流をさせていただいておりまして、『いつか映画でご一緒しましょう』という漠然とした言葉を交わしていたんです」という。そんな中、2016年頃に「ふと思いついたプロット」があり、「これなら自分の頭の中にいる韓国の役者の方々と一緒に映画が作れるのではないかと……その思いつきがきっかけでした」と説明した。
さらに、イ・ジウン（IU）とイ・ジュヨンについては「コロナの自粛の間に、韓流ドラマを配信で観ることにハマリまして、『マイ・ディア・ミスター ～私のおじさん～』を観ていたんですが、後半はイ・ジウンさんが登場するシーンはずっと泣いているような状況で、もうこの人しかいないと思って、オファーしました。そして、イ・ジュヨンさんは『梨泰院クラス』にもハマって、2周観たのですが、彼女の存在がとても印象的だったので名前を挙げました」と意外なキャスティング理由も明かした。（編集部・中山雄一朗）