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『シン・ウルトラマン』メフィラス・山本耕史、“バズる役”で快進撃続く 三谷幸喜からも「最高」と賞賛

メフィラス役で大人気の山本耕史
メフィラス役で大人気の山本耕史

 公開から17日間で興行収入27億円を突破した映画『シン・ウルトラマン』(全国公開中)で大きな話題を呼んでいるのが、山本耕史演じる外星人メフィラスの存在感だ。「すごく大きな反響がありました」と驚きを見せる山本が、公開後の周囲の反応や、難解な役へのアプローチ方法、さらには出演ラッシュの現状について語った。

【画像】メフィラス役で大人気の山本耕史「プロテイン、私の好きな言葉です」

■大絶賛のメフィラス役、山本なりのアプローチ方法とは

見た目は人間、中身は外星人のメフィラス - (C) 2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C) 円谷プロ

 山本が演じたメフィラスは、外見は人間で日本語も堪能だが、中身は外星人というキャラクター。本編に登場すると、作品のテイストを変える存在として、物語に大きなインパクトを与えた。劇場公開後、メフィラスは大きな話題となり、「山本さんのメフィラス最高」という感想が相次ぐと、「~わたしの好きな言葉です」という“メフィラス構文”もネット上に溢れた。

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 こうした状況に山本は「映画の台本は事件ごとに分かれているのですが、メフィラスが登場するのは4番目の事件だけで、あくまでメインは禍特対のメンバーたちなんですよね」と語ると、「正直こんなにメフィラスを話題にしてもらえると思っていなかった。今、大河ドラマ(『鎌倉殿の13人』)の撮影もやっていますが、現場の人も『みんな観たよ』と言ってくれるんです。(『鎌倉殿の13人』脚本の)三谷幸喜さんも『シン・ウルトラマン観た。メフィラス最高』と言ってくださいました。喜んでいただけているのは嬉しいですね」と笑顔を見せる。

 同じく外星人として登場するザラブは宇宙人の姿をしているが、メフィラスは人間の見た目をしている。山本は、どのように外星人役へのアプローチを試みたのだろうか。

 「難しい言葉を一気に話す役だなというのは台本を読んで感じました。そのなかで、どこからどう見ても人間なんだけれど、何か違和感がある……という感覚。なるべく話をするとき、身振り手振りなど動きを入れずに、言葉をしっかり伝えることだけを心掛けました。あとは妙にリラックスしている。台本の句読点を取って、なるべく一息で話すことで、人間としての違和感が出るような工夫もしました」

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 普通だけれど「なんか違うな」という違和感。そのさじ加減を探るために、樋口真嗣監督には撮影現場でさまざまな提案をしたという。「監督は基本的に僕が『こういうのはどうでしょうか?』という意見をくみ取っていただける方でした」と振り返る山本。中でも、主人公・神永新二(斎藤工)と公園で会話をするシーンでのやり取りは、メフィラスというキャラクターをつかむうえで、大きな気づきになったと話す。

 「公園の場面は最初に撮ったシーンでした。ブランコに乗って工くんと話す場面がありますが、あそこで僕はブランコの周りにあった柵の上にスッと立って平然と歩く……みたいなシーンを入れたらどうかと提案したんです。そうしたら樋口監督は『とにかく極力普通で、人間に馴染んでいるような感じで』と仰ってくださって、なるほど……と思いました。あまりトリッキーなことで“外星人”を表現するのではなく、あくまで人間として演じるうえで、違和感を出すように心掛けました」

■出演キャラが軒並みバズる!快進撃続く山本の現状

主人公・神永新二と居酒屋で会話するメフィラス - (C) 2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C) 円谷プロ

 さじ加減をつかんだものの、その後も苦悩は多かった。映画を鑑賞した人が聖地巡礼として訪れている居酒屋でのシーン。メフィラスと神永がカウンターに座って語らうが、「とにかくあのシーンは、僕がずっとしゃべっているんですよね。そのなかで淡々と、熱くならずに抑揚もつけずに」とアプローチ方法を述べると、「セリフもかなり観念的なものなのですが、10回近く頭から最後まで通しでやるんです。そうなってくると、もうゲシュタルト崩壊みたいな感じで、途中からは、何を言っているのか分からなくなってきちゃうんですよね」と苦笑い。

 「そこでも、例えば話している後ろで店員さんが水をこぼして、メフィラスにかかっちゃう……みたいな提案もしたのですが、あまり飛び道具的な武器を使わずいこうということになりました」と続けた山本。「外星人というものを表現するのは大変でしたが、とてもいい経験になりました」と充実感をにじませていた。

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 『シン・ウルトラマン』のメフィラスをはじめ、ドラマ「きのう何食べた?」の小日向大策、『鋼の錬金術師 完結編』のアレックス・ルイ・アームストロング、『KAPPEI カッペイ』の正義など、近年山本が務めた役は、映画公開やドラマ放送後、SNSなどで“バズる”ことが多い。

 「コロナ禍などいろいろな事情もあって、2022年に一気に作品が集中したという巡り合わせもあると思いますが、『シン・ウルトラマン』など、これだけ大きな作品に参加させていただけたというのはありがたいですよね」と心境を明かした山本。「一人だけ外星人という個性的な役をいただいて、しかもちゃんと地球人っぽくありながらも、外星人という風にいい感じに編集していただきましたからね」と周囲に感謝を述べる。

 山本といえば、「仮面ライダーゼロワン」(2019~2020)に出演するなど特撮とは縁が深い。「やっぱり男の子なので、ウルトラマンが戦っているところを観るとワクワクしますよね」と目を輝かせると、「それこそ『仮面ライダー』に出演すると決まったら、保育園の園長先生が『絶対観ます』と言ってくれたり、『シン・ウルトラマン』に出演して反響を聞いたりすると、改めて特撮作品というのはファンが多いんだなと実感しました」と影響の大きさを身に沁みて感じていた。

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■何度観ても新たな発見がある

何気ないセリフにも新たな発見が!

 公開17日間で27億円を突破した本作。「もっと仕事が増えればいいですね」と山本は笑うと、「縁があって参加することができた作品。とても素敵ないい台本のなか、非常に魅力的な役をいただき、出演する時間帯も、禍威獣がワーって出てくるなかで、人型の外星人として効果的に出ることができました。本当にありがたかったです」と謙虚な姿勢を見せる。

 すでに映画を3回鑑賞したという山本。「観るたびにいろいろなことを気づく作品」と噛めば噛むほど味の出る映画であることを強調すると、「僕が観ていて気づいたことなのですが、台本に“他外星人”と言う言葉があって、僕は樋口監督に『た・がいせいじん』なのか『たがいせいじん』なのか聞いたら、『た・がいせいじん』と言われたので、そう発音したんです。でも同じ単語を(長澤)まさみちゃんは『たがいせいじん』と言っているんですね。そこも人間と外星人の言い方の違いなのかな……なんて思ったり。本当に気になる点が多い作品です」とさらに鑑賞回数を重ねていきそうなぐらいに面白さを感じているようだった。(取材・文・撮影:磯部正和)

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