井浦新「それが尾野真千子だからね」子役も驚く号泣演技に感服
井浦新と尾野真千子が20日、都内で行われた映画『こちらあみ子』(7月8日公開)の完成披露上映会舞台あいさつに登壇し、夫婦役を務めた本作での初共演を振り返った。そのなかで子役の大沢一菜が尾野の熱演について驚きを明かすと、井浦が同意して「それが尾野真千子だからね」と称賛の言葉を送る一幕もあった。舞台あいさつには森井勇佑監督も来場した。
本作は、映画化もされた『星の子』などの原作者である今村夏子の同名小説を映画化したヒューマンドラマ。広島に暮らす小学5年生のあみ子(大沢)は少し風変わりだが、優しい父・哲郎(井浦)と妊娠中の母・さゆり(尾野)、お兄ちゃん(奥村天晴)らに見守られながら自由に過ごしていた。しかし、あみ子の純真な言動が、周囲の人たちを変えていくことになる。
応募総数330名のオーディションで選ばれた大沢と共演した井浦。「(大沢)一菜が座長として、あみ子のペースで(雰囲気を)作ってくれたので、僕らもそれに気持ちよく巻き込まれていました。あみ子がお昼くらいに力尽きて寝たら撮影は止まる。起きたら再開しようという感じ。みんなで寝ちゃえ! みたいな」とねぎらいの言葉をまじえて撮影現場の様子を振り返る。
井浦はクランクインから3日間、不在だったスチールカメラマンの代わりもしていたということで「ファーストカットから、あみ子がどう芝居をしていくのかとか、みんなのインのタイミングが残せないのは惜しいなと思って、ちょうどカメラを持っていたので代わりに撮っちゃってました」と当時の心境も明かした。
初共演の尾野については「想像以上に一菜と全力で一緒にいたのがすごいなと思った。オフの日は食事や駄菓子屋さんに行ったり、現場でも支度場からテンション同じくらいで楽しんでいたから、すごいなーと思った」と称賛。
しかし尾野は、それができたのは自分より先にクランクインした井浦をはじめとしたスタッフ・キャストのおかげだという。「一人遅れて行って、女優らしく(お高くとまって)ふんふんとしているのはいかん。何とかみんなに追いつきたい。あみ子からも『尾野さん』ではなく『お母さん』と呼ばれたい」と思ったからだと説明。「あみ子に「『尾野さん』って呼んだら一万円だからね! と言ってやっていました」と楽しそうに打ち明けた。
そんな尾野が大好きだという大沢は、あみ子の行動によってさゆりが号泣する場面について「普通だったら(その状況だと)めそめそ泣くのに、叫んで泣くのにびっくりしました」と告白。井浦は「それが尾野真千子だからね。すべての力を全部こっちに(ぶつけてくるから、この後)本当に引いていくのかなと思った。本気だから」と感服していた。(錦怜那)