気持ち悪すぎ…「空白を満たしなさい」阿部サダヲの怪演に震え上がる
平野啓一郎の同名小説を実写化したNHKドラマ「空白を満たしなさい」(総合・毎週土曜よる10時~ほか)の初回が25日に放送され、謎めいた警備員・佐伯を演じた阿部サダヲの怪演が話題を呼んでいる(※一部ネタバレあり)。
本作は、“復生者”と呼ばれる死からよみがえった者たちの存在がテレビやネットを騒がせる日本を舞台に、会社の屋上から転落死しながら3年後に謎の復活を遂げた男が、自身の死の真相に迫っていくサスペンス。主人公の“復生者”・徹生に柄本佑、その妻・千佳に鈴木杏、友人・秋吉に萩原聖人、徹生が務めていた製缶会社の上司・安西に渡辺いっけい、工場長の権田にうじきつよし。そのほか藤森慎吾、ブレーク・クロフォード、田村たがめ、斉藤拓弥、風吹ジュンらが出演している。脚本に『ボクたちはみんな大人になれなかった』『死刑にいたる病』などの高田亮、演出にドラマ「透明なゆりかご」「今ここにある危機とぼくの好感度について」などの柴田岳志ら豪華布陣が集結している。
初回では、突然家族のもとに舞い戻った徹生を取り巻く周囲の反応を軸にしたエピソードが展開した。妻の千佳は夫を自殺から救えなかった自身を責め続け、会社でもまた上司の安西が部下だった徹生の死に責任を感じ、今ようやく落ち着いたところだという。そして、徹生が開発に尽力した新製品が自身を貶めた男の手柄になっていた。徹生の死は自殺と処理されているが本人は全く身に覚えがなく、パニックに。徹生をよく知る人々は彼の復活を喜ぶと思いきや、驚き、困惑、恐怖など複雑な感情が渦巻いていた。
阿部が演じる佐伯は、徹生の勤務先の警備員だった男。鳩を蹴り殺していたところを徹生が目撃し、咎めて以来、彼にまとわりつくようになっていた。佐伯はある時は昼休憩中、ある時は帰宅時の車の中など神出鬼没。徹生いわく佐伯は執拗に嫌がらせを繰り返し、社内で孤立しながら新製品の開発に向け働き通しだった徹生に「何のためにそんなに必死に働くのか」と問いただし、さらには「幸せを分けてほしい」とある恐ろしい提案を持ち掛けた。
目が笑っていない不気味な表情、洗脳しようとするかのような鮮やかな口調、常人に理解不能な思考回路……。阿部の怪演に「怖い」「気持ち悪すぎる」「ヤバい」「最高にサイコパス」「ゾクゾクする」と震え上がる視聴者が続出し、「阿部サダ」がTwitter上位にトレンド入りしていた。
阿部といえば、同作の高田が脚本を手掛け、『彼女がその名を知らない鳥たち』の白石和彌監督と再び組んだ主演映画『死刑にいたる病』が公開中。櫛木理宇のサスペンス小説に基づく同作では、表の顔は誰にでも好かれる笑顔が素敵な町のパン屋さん、裏の顔は10代の少年少女を手にかける連続殺人犯という役どころで、得体のしれない心の闇を体現した阿部の怪演が話題に。興行収入10億円を突破するヒットを記録した。(編集部・石井百合子)