道枝駿佑、透明感と切なさあふれる演技で魅せる…『セカコイ』で映画初主演
映画『今夜、世界からこの恋が消えても』で、ヒロインを演じた福本莉子ともに主演を務めた道枝駿佑(なにわ男子)。本作で映画初主演を果たした道枝が、切なさあふれる繊細な演技を見せている。
映画『今夜、世界からこの恋が消えても』は、電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞した一条岬の小説を三木孝浩監督が実写化したラブストーリー。ある時点からの記憶を失ってしまう難病「前向性健忘」を患う日野真織(福本)と、ある秘密を抱えながらも彼女を支える神谷透(道枝)が織り成す恋が描かれる。
道枝が演じたのは、家族を明るく照らす存在だった母を亡くしながらも、父のことを気に掛けて無気力に生きていた透。クラスメートのいじめをやめさせるべく、クラスの人気者である真織にウソの告白をする。予想とは異なり、OKをもらった透は戸惑いながらも彼女との関係を始めることになる。
落ち着いた雰囲気もあり、暗い部分は見せずに明るく振る舞うの透。そんな切なさを感じさせる表情が印象的だ。道枝は、真織の抱える記憶障害のことを知りながら、彼女のことを思いやり行動する透の優しさを見事に表現している。そして、自身もある秘密を抱えながらも、真織のポジティブな強さに影響を受けて変化していく様子を、繊細な表情で演じきった。
真織を演じた福本とはドラマ「消えた初恋」(2021)でも共演しており、抜群のコンビネーションを見せたばかり。『今夜、世界からこの恋が消えても』の撮影がスタートしたのは今年の2月で、そこから透と真織がデートをしながら過ごす日々がカメラで切り取られた。デート風景を断片的に切り取ったシーンでは、脚本に状況の説明が記されていただけで、掛け合いについてはすべてアドリブだったという。セリフのある場面を演じるのは、物語の始まりにあたる、真織が透のクラスを訪ねて交際の条件を告げるシーン。撮影5日目に千葉県にある高校を借りて撮影され、透と真織の始まりの日が収録された。
「消えた初恋」では、恋することの複雑な感情を全身で表現していた道枝。自身も目標だったと語る映画初主演となったラブストーリーで、本領発揮といえる透明感に満ちた繊細な演技を披露している。(編集部・大内啓輔)