金子大地、演じた役を「クソみたいな…」と言いかけ訂正 ロマンポルノ撮影裏
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の源頼家役などで注目を浴びる金子大地が18日、都内で行われた「公開直前ROMAN PORNO NOW祭り」トークイベントに出席した。
「ROMAN PORNO NOW」は、生誕50周年を迎えた「日活ロマンポルノ」の多様性、エンタテインメント性、芸術性を訴求する目的で立ち上がった企画。個性派監督が、多彩なジャンルで女性の強さや美しさを表現する。金子は、第1弾作品『手』(9月16日公開)で共演する福永朱梨、松居大悟監督と共に来場。第2弾の『愛してる!』から白石晃士監督、川瀬知佐子、高嶋政宏(高ははしごだかが正式表記)、第3弾の『百合の雨音』から金子修介監督、小宮一葉、花澄も登壇した。
『手』は、山崎ナオコーラの同名小説が原作のラブストーリー。おじさんの写真を撮ってはコレクションするのが趣味で、年上の男性と付き合ってきたにも関わらず父とはうまくいかないさわ子(福永)が、同年代の同僚・森(金子)との出会いを経て変化していく。
金子は撮影の感想を問われると、「楽しかったです」と笑顔を見せ、「短いスパンで森を演じないといけなかったので、松居さんにはいろいろ相談させてもらって一緒に考えていただきました。そのおかげで自分の中の森像が演じられたのかなって思います」と回顧。「いろいろな役を演じる中、森についてはどんな印象を持って演じていましたか?」と質問を受けると、「クソみたいな……いや、ごめんなさい」とおどけつつ、「純粋にさわ子より拗らせていないんだろうなって。まっすぐなんだろうなって思いました」と森の性格や個性を分析。
演技の上でも、金子は「本当のことを言っているのか嘘をついているのかわからないような森をイメージしていたので、そこがうまく表現できていればいいなって思いながら演じていました。森に近付いたというより、森を僕に近づけたような感じがあります」と話した。
一方、福永は「オーディションの時、原作の小説を読んでさわ子は自分に近いなって思っていました。でも、実際に撮影が始まるとさわ子ってなんでこんなことするんだろうっていうところもたくさん出てきて迷ってしまった」と戸惑いがあったことも吐露。「でも、そこから自分が俳優として役をコントロールしようとすると自由になれない感覚があると思ったので、さわ子に任せるように演じていたら自由になれた」とアプローチの工夫も明かした。
松居監督も「今までとは違う新しいロマンポルノにしたいと言われていた」と制作過程を紹介。「ロマンポルノに触れていない人が楽しめるものにしたいって。原作を読んだら、さわ子の揺らめくような心情が素敵だなって思えました。女性の心情に寄り添って作った作品になりました」と振り返っていた。(取材・文:名鹿祥史)