スター・ウォーズ新作ドラマはラストで『ローグ・ワン』につながる クリエイターが明かす時間軸
『スター・ウォーズ』のスピンオフ映画として特に人気の高い『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の5年前を舞台にした、Disney+(ディズニープラス)の新シリーズ「キャシアン・アンドー」。シリーズのクリエイター兼エグゼクティブプロデューサーを担当するトニー・ギルロイが、先日開催されたTCA(テレビ批評家協会)の取材会で、すでにシーズン2の制作も決まっている本作の基本的な時間軸について明かした。
「キャシアン・アンドー」は、帝国軍に故郷を破壊されながらも革命には消極的だったアンドーが、いかに自分を犠牲にしてまで銀河を救う、反乱軍の英雄となっていったかを描くドラマシリーズ。『ローグ・ワン』や『ボーン』シリーズの脚本家で、『フィクサー』でアカデミー賞の監督賞と脚本賞にノミネートされたギルロイは、シリーズ全12話のうち5話の脚本も手掛けている。
「まず(シーズン1の)最初の12話を使って、キャシアン・アンドーの人格が形成されていく1年間を描く。そして、(シーズン2の)12話で、その後の4年間を描くんだ。1年が3話ごとに進んでいくやり方でね。そして、第24話のラストシーンが、『ローグ・ワン』の最初のシーンにそのままつながっていく」というギルロイ。30年以上にわたり、映画の脚本を書いてきた大ベテランにとって、結末が決まっている物語を作り上げるのは興味深いプロセスだったようだ。
「『ローグ・ワン』の劇中には、それぞれのキャラクターが、どういう人物なのかがわかる真実の瞬間がある。キャシアンは6歳のころから戦ってきて、映画の最後で、『今ここで諦めれば、反乱軍のために手を汚してきたこと全てが無意味になる』と言う。そういう部分をふくらませるように、(物語を)築いていった」
また、本作には多くのスパイ要素があることも明かしたギルロイ。さらに、これまで『スター・ウォーズ』シリーズで登場しなかった、帝国軍の内部を掘り下げているという。「(帝国軍の)警備局という、全く新しい要素を描いているんだ。そこは帝国側だが、普通の人たちが仕事をしている環境でもある。仕事を競い合ったり、出世主義だったり、不安を感じていたりと、複雑なんだよ」
『ローグ・ワン』で特に人気のあったドロイド、K-2SOは、シーズン1には出てこない。その理由をギルロイは「シーズン1でキャシアンは、帝国軍のドロイドを再プログラムする方法を知らないし、それをやろうとも思っていないからだ。帝国軍のドロイドを連れていたら目立つしね」と明かしながら、K-2SOについて「ちゃんとやりたいんだ。僕らがぜひ語りたいストーリーだからね。だから、どうなるか待っててほしい」とシーズン2でのK-2SO登場をほのめかした。
ジェダイなど特別な存在ではなく、普通の人々が、いかにして帝国軍に立ち向かうのかを描く本作。今まで以上にリアルで大人向けの『スター・ウォーズ』作品が期待できそうだ。(細谷佳史/吉川優子:Yoshifumi Hosoya / Yuko Yoshikawa)
「キャシアン・アンドー」初回3話は9月21日(水)よりディズニープラスにて独占配信