青木柚、東映ビデオの新プロジェクト第1作で主演 5分間のタイムループ描く『神回』来年夏公開
『百円の恋』『愛の渦』『アンダードッグ』などで数々の映画賞を獲得してきた東映ビデオ(株)が、2021年6月に立ち上げた新たな才能を発掘するプロジェクト「TOEI VIDEO NEW CINEMA FACTORY」。その記念すべき第1回製作作品に選ばれた中村貴一朗監督の『神回』が、2023年夏に新宿シネマカリテほかで公開されることが決定した。5分という時間に閉じ込められた男子高校生を描くタイムループものの青春ストーリーで、主演に青木柚、共演に坂ノ上茜。「MOTION GALLERY」でのクラウドファンディングが9月8日よりスタートする。
「TOEI VIDEO NEW CINEMA FACTORY」でキャリアも年齢も多種多様なクリエイターが応募した309本の企画と脚本から選出された本作。高校の夏休み。文化祭の実行委員になった樹(青木柚)と恵那(坂ノ上茜)は教室で出し物の打合わせを始めた。しかし、5分後には、また打合せの最初に戻ってしまうことに樹だけが気付き、樹はその状況から抜け出そうともがく。
監督・脚本を務めた中村貴一朗は、短編映画『GUNKANJIMA -Traveler in Time-』が国内外の映画祭で評価された新鋭。プロジェクションマッピングやドローン撮影などの先端技術を駆使した映像表現を得意とし、ストーリー、映像ともに斬新な表現。「タイムループもの」という洋画・邦画ともに数多くの作品が存在するジャンルに挑みつつも、凡庸な青春ストーリーにとどまらず、学校という閉鎖空間の中で人間のさまざまな感情をあぶりだした脚本が、特別審査員を務めた足立紳(監督・脚本家)ほか多くの審査員から高い評価を受けた。
主人公・樹にふんするのは、NHK連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」でヒロイン(川栄李奈)の弟・桃太郎役や浅野いにおの漫画を実写化した『うみべの女の子』などで注目を浴びる青木柚。『MINAMATA-ミナマタ-』ではジョニー・デップとの共演が話題を呼んだ。その同級生・恵那を、主演を務めた自主制作映画『愛ちゃん物語』が2021年ぴあフィルムフェスティバルで高評価を得た坂ノ上茜が演じる。
中村貴一朗監督、青木柚、坂ノ上茜のコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
中村貴一朗監督
“長編映画を撮る”ということをずっと追い求め続けて、それがもはや祈りにも近い感情に変わり始めた頃、ついに本作『神回』でクランクインを迎えることができました。撮影の日々は筆舌に尽くし難い夢のような時間の連続でした。この時間が永遠に続けばいいのに、終わってほしくない、と思いながらもそんな奇跡のような時間は一瞬で過ぎ去り、今は編集プロセスに立ち向かっています。早く本作を観客の皆様に観ていただきたくソワソワしています。本作は、観客の皆様が何歳であろうとも“物語が人生に絡みついてくる”刺激的なエンタテインメント作品を目指しています。この体験を早くスクリーンで提供できるよう日々精進していきます。引き続きよろしくお願いいたします。
青木柚/沖芝樹役
初めて脚本を読ませていただいた時、恋愛やタイムループという仕掛けとしての面白さはもちろん、ループする事によって、徐々に人間の欲や本能、内面の揺らぎが浮かび上がってくる叙情的なストーリーに心掴まれたのを覚えています。ひとつの役柄でここまで様々なシュチュエーションに対峙する事はあまり無かったので、とても新鮮で、アトラクションのような撮影でした。爽快感の中に漂う人間味、切なさ。新感覚の青春映画です。是非劇場でご覧ください。
坂ノ上茜/加藤恵那役
今年27歳になる私が、高校生役をやっても大丈夫なのか?! と一瞬心配しました(笑)。だけど、いざ現場に入るとそんな心配も忘れてしまうほど、とにかく必死で青春を感じる日々でした。この作品を初めて読んだ時、タイムループに陥った樹のように一緒に巻き込まれている感覚になり、展開にドキドキしていたのを覚えています。読み終えた後も、この作品が好きだなと素直に思いました。そんな作品に関わらせてもらうことができてすごく嬉しかったです。公開まで少し先になりますが、楽しみにしていてくださいね!