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岡田准一「まだ満足していない」世界レベル目指す飽くなき情熱

岡田准一がダークヒーローを熱演『ヘルドッグス』
岡田准一がダークヒーローを熱演『ヘルドッグス』 - (C) 2022 「ヘルドッグス」製作委員会

 ぶっ飛んだ強烈キャラクターが暴れまくるクライムアクション映画『ヘルドッグス』で、復讐に燃えるダークヒーローを熱演した岡田准一。自身にとって新ジャンルとなる映画でこれまでにない役柄に挑み、「新たなステージに足を踏み入れた」と充実感をにじませる。40代に突入してさらなる新境地を開いた岡田が、原田眞人監督の現場にある特別な熱気や、「世界に誇れるような日本のアクションを作る。そのための礎になりたい」とアクションにかける気迫を明かした。

岡田准一×坂口健太郎『ヘルドッグス』本予告映像

役者への愛を感じる原田組の現場

 『関ヶ原』『燃えよ剣』に続いて岡田と、監督&脚本の原田が3度目のタッグを組んだ本作。思いを寄せていた女性を救えなかったトラウマを抱え、闇堕ちした元警官の兼高(岡田)が、制御不能なサイコボーイの室岡(坂口健太郎)とバディを組んで、最強のコンビとしてヤクザ組織を登り詰めていく姿を描く。
 
 元警官でありながら、正義も感情も捨てた“狂犬”となって復讐に燃える兼高について、岡田は「『ちょっといいな』と思いを寄せていた女の子が殺されて、その復讐のために突き進んでいく男。変貌するきっかけとなるのが、彼の嫁や子を殺された……とかではなく、ちょっといいなと思っていた女の子」と言いながら、「ピュアすぎますよね。兼高には、そのピュアがひっくり返った時に生まれる違和感や異質感があって、それこそが原田監督の狙いだったのかなと思っています。本作には濃いキャラクターばかりが出てくるのですが、主人公ですらぶっ飛んだ、ヤバいヤツ(笑)」と役柄を分析。「展開としても『どうなるの?』と思うようなことばかりなので、撮影も刺激的な毎日でした。カオスではありましたが、ものすごく面白かったです」と楽しそうに撮影を懐かしむ。

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 特濃キャラのエネルギーがあちこちで爆発しているような、熱気あふれる映画として完成している。その熱を生み出している原田組には、どんな秘密があるのか?

 岡田は「原田監督は、全員に役名をつけて、全員にテイクを重ねてもらう。隅から隅まで、どの役者の方にも『なぜ君の演じるキャラクターはそこで動くのか』『そのキャラクターは何をしているのか』と考えるように求める。つまり情景を撮るだけではなくて、エネルギーやうねりを巻き起こしたいと思われているんです。『全員が撮られるつもりで動いてくれ。その場を作るのは、君たちなんだ』『全員が動いている、その熱が撮りたいんだ!』という思いがあって、ものすごく役者への愛を感じます」としみじみ。同時に食らいついていかないと「振り落とされるような現場」だといい、その熱量がスクリーンにも見事に映し出されている。

 本作は「好き嫌いが分かれるような映画」と素直に明かす岡田だが、「そんな映画は、僕はこれまでに出演してきていないなと思っていて。原田監督がそういった映画を岡田とやりたいとおっしゃってくれて、新たなステージに足を踏み入れることができたと思っています」とモチベーションの高い監督と、チャレンジングな作品に挑めた喜びをかみ締めていた。

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世界に誇れるような日本のアクション

 兼高と相性抜群のバディとなっていく室岡を演じたのは、若手実力派俳優として出演作を重ねている坂口健太郎。初共演となった坂口について、岡田は「気持ちよくその場にいてくれる人」とにっこり。「坂口くんは、アクションも楽しみながら学ぼうとされていて。黙々と楽しそうに練習できるのは、ものすごい才能だと思うんです。年齢も僕の方が上ですし、役者としても先輩ではありますが、坂口くんは尊敬できる方だなと思います」と称える。

 武術や格闘技に精通し、カリ、ジークンドー、USA修斗のインストラクター認定を受けながら、これまでも数々の作品で驚異の身体能力を発揮するなど、“アクションの達人”としても知られる存在となった岡田。警察とヤクザの思惑が絡み合い、男たちのしのぎを削る戦いを描き出す本作においても、岡田は、共演者へのアクション指導やアクション構成までを担当している。

 「深い部分で触れ合っている男たちの話」と本作を表現した岡田は、「人間の根本的な部分を意識したアクションを考えました」と本作のアクションについて説明。「原田監督は、芝居の延長線でのアクションを強く求められる方」と続け、「本作のような現代劇でも、時代劇であっても、原田監督の実現されたいことは同じ。キャラクターの感情や心のつながりを大事にして、芝居で起こり得る感情の点を線でつなげるようなアクションを見せてほしいと思われているんです。それでいて映画になった時に、スクリーンサイズに耐えうるアクションを考えていかないといけないのも事実。作品の力となるアクションを考えていかないといけないわけです。スタッフの皆さんともたくさん打ち合わせを重ねて作っていきました」と語る。

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 ストイックに映画作りやアクションに打ち込んでいる岡田だが、「求められたことに最善を尽くしているだけですよ」とほほ笑みつつ、「まだまだ日本のアクションには満足していない」とさらなる高みへ思いを馳せる。

 「もともと僕がアクションを勉強し始めたのは、言葉ではなくボディランゲージで伝えられて、どんな世代にも響くようなアクションを作ることは、強力なエンターテインメントへとつながっていくはずだと感じたからです。役者さんの中でもアクションが好きだ、アクションをやりたいという方も増えてきて、監督でも撮りたいという方も増えてきた。これからも仲間を増やすことができたら、うれしいです。今は、まだまだこれからという気持ちですね。世界に誇れるような日本のアクションを作るため、その未来への礎になりたいと思っています」と力強く宣言していた。(取材・文:成田おり枝)

映画『ヘルドッグス』は全国公開中

<本予告>映画『ヘルドッグス』9月16日(金)全国公開 » 動画の詳細
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