草陰に浮かぶ顔…『リング』脚本家・高橋洋監督『ザ・ミソジニー』特別映像公開
映画『リング』(1998)、『女優霊』(1995)の脚本家にして、コンスタントに監督作を発表し続けている高橋洋が監督・脚本を手掛けた新作長編『ザ・ミソジニー』(公開中)の特別映像が公開された。
脚本家としてJホラー映画ブームを牽引した高橋は、2004年の長編初監督作『ソドムの市』など、監督としても恐怖にまつわる意欲的な作品を次々と発表。前作『霊的ボリシェヴィキ』から4年ぶりの長編最新作となる『ザ・ミソジニー』は、ある山荘を舞台に、謎めいた母親殺しの事件を題材にした舞台の稽古に挑む2人の女優を描く。
女優で劇作家のナオミ(中原翔子)は、かつて自分の夫を略奪した、女優ミズキ(河野知美)を夏の間だけ借りた山荘に呼び寄せ、芝居の稽古を始める。題材となるのは、ある謎めいた母親殺しの事件。マネージャーの大牟田(横井翔二郎)と共に山荘を訪れたミズキは、母親を殺した娘を演じるうちに、事件が起きたのはこの屋敷ではないかと疑い始める。
前作『霊的ボリシェヴィキ』を上回る興行収入を記録しているといい、これを記念して、高橋監督が監修した30秒の特別映像4本が公開。高橋監督が過去に携わった作品でも追求してきた「呪文」「地獄」「魔除け」というテーマに加え、2.5次元舞台などで活躍する横井翔二郎演じる「謎の男・大牟田」の4つで構成されている。薄暗い草陰に謎の顔が浮かび上がる「地獄」など、いずれも、短い時間の中で日常がホラーの世界に切り替わるような、高橋の演出が冴え渡る仕上がりとなっている。(編集部・入倉功一)
映画『ザ・ミソジニー』はシネマカリテほか全国順次公開中