山田洋次監督の新作、主演は吉永小百合&大泉洋!『こんにちは、母さん』来年9月公開
山田洋次監督の新作映画『こんにちは、母さん』の製作が決定し、2023年9月1日より劇場公開されることが明らかになった。主演を務めるのは吉永小百合と大泉洋。
時代とともに家族の姿を描き続けてきた山田洋次監督。91歳にして90本目の監督作となる本作は、変わりゆく令和の時代に変わらない母の愛を描く親子の感動の物語となる。原作は、2001年と2004年に新国立劇場で上演され、2007年にはNHKの土曜ドラマでも映像化された永井愛の同名戯曲。今回、現代の下町を舞台に映画化される。
主演を務めるのは、1972年に公開された『男はつらいよ 柴又慕情』をはじめ、『母べえ』(2008)や『おとうと』(2010)、『母と暮せば』(2015)など、約50年間にわたって数々の山田監督作品に出演してきた吉永小百合。映画出演123本目となる本作で、下町に暮らす母・福江を演じる。吉永は「山田学校に再入学し、原点に戻って監督の思いをしっかり受け止められる様、努めます。大泉さんとは初めてなので、ちょっと心配でしたが、明かるくて、優しくて、リハーサルの時から励まされています。すてきな親子になりたい……なります!」と意気込むを語る。
その息子の昭夫を演じるのは、NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での好演も記憶に新しい大泉洋。山田監督映画への出演、吉永との共演はともに初めて。今回の発表に際して「まさか私がこのような光栄な挨拶をする日が来ようとは、夢にも思っておりませんでした。役の重責に押し潰されそうではありましたが、リハーサルで、山田監督の力強くも細やかな演出を受け、海より深い愛情を湛えた吉永さんの母親としてのお芝居を目にし、今は感謝と、喜びと、期待でいっぱいであります。正直申し上げて、あの吉永小百合さんから、大泉洋は生まれない。私もそう思います(笑)。しかし、決してそうは思わせない山田監督の演出、吉永さんの演技、映画とは偉大だと改めて感動しております。今や私は吉永さんの息子としか思えません。どうか皆さま、山田監督の描く、今も昔も変わらない、日本の下町で懸命に生きる、可笑しくもせつない、家族の物語を楽しみにしていてください」とコメントを寄せている。(編集部・大内啓輔)
ストーリー
大会社の人事部長として日々、神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉洋)は、久しぶりに母・福江(吉永小百合)が暮らす東京下町の実家を訪れる。
「こんにちは、母さん」
しかし、迎えてくれた母の様子が、どうもおかしい……。割烹着を着ていたはずの母親が、艶やかなファッションに身を包み、イキイキと生活している。おまけに恋愛までしているようだ!
久々の実家にも自分の居場所がなく、戸惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っていたことに気付かされてゆく。
山田洋次 監督のコメント
隅田川沿いの下町、古びた家並みの向こうにスカイツリーが高々とそびえる「向島」にカメラを据えて、この江戸以来の古い町に暮らす人びとやここを故郷として行き来する老若男女たちの人生を、生きる喜びや悲しみを、スクリーンにナイフで刻みつけるように克明に写し取り、描き出したい。