『アダムス・ファミリー』の美魔女、アンジェリカ・ヒューストンの現在
映画『アダムス・ファミリー2』が7日よる9時、日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送される。青白い顔に赤い唇、そしてストレートの長い黒髪が印象的なアダムス家の妻モーティシアを演じたアンジェリカ・ヒューストンのこれまでのキャリアと現在に迫る。
【画像】アツアツ当時のアンジェリカ・ヒューストン&ジャック・ニコルソン
アンジェリカは、1951年7月8日生まれの現在71歳。アメリカのカリフォルニア州出身で、祖父は名優ウォルター・ヒューストン、父は巨匠ジョン・ヒューストン監督という芸能一家で育つ。モデルとしてキャリアをスタートさせ、1969年に父親が監督した『愛と死の果てるまで』で映画デビュー。1980年代頃から本格的に女優業を開始し、父親が監督した1985年の『女と男の名誉』でアカデミー助演女優賞を受賞した。父親はハンフリー・ボガート主演の『黄金』(1948)でアカデミー賞監督賞と脚色賞を受賞し、同作に出演した祖父は、アカデミー賞助演男優賞を受賞している。祖父、父、アンジェリカと親子3代でオスカーを受賞したことになる。
その後、代表作となる『アダムス・ファミリー』(1991)、『アダムス・ファミリー2』(1993)で、恐ろしくも美しい妻モーティシアを怪演。1996年には、『冷たい一瞬(とき)を抱いて』で映画監督デビューも果たす。名女優ながら、『エバー・アフター』(1998)の意地悪な継母や『チャーリーと14人のキッズ』(2003)の規律に厳しい園長など、クセの強い横柄なキャラクターをコミカルに演じるのが得意。
ウェス・アンダーソン監督作品の常連としても知られ、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001)、『ライフ・アクアティック』(2005)、『ダージリン急行』(2007)、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(2021)に出演し、独自の存在感を発揮している。
2000年代に入ってからは、『ティンカー・ベル』(2008~2014)シリーズで妖精のクラリオン女王の声を務め、テレビドラマ「SMASH」シリーズに主要キャストの一人として出演するなど、映画だけでなくテレビ出演や声優業へも活躍の場を広げている。
プライベートでは20代の頃から約17年間、ジャック・ニコルソンと交際していた。1992年に有名な彫刻家のロバート・グラハムと結婚。2008年に死別後はシングルで、子どもはいない。2013年と2014年に、回顧録「ア・ストーリー・レイトリー・トールド:カミング・オブ・エイジ・イン・アイルランド、ロンドン、アンド・ニューヨーク(原題) / A Story Lately Told : Coming of Age in Ireland, London, and New York」「ウォッチ・ミー(原題) / Watch Me」を出版。大物俳優とのプライベートな交流や、10代の頃に自殺を図った経験などが赤裸々につづられている。動物好きとしても有名で、動物愛護団体PETAのイベントにたびたび登場したり、自身のツイッターで動物たちの過酷な現状を訴えたりするなどの活動をしている。
最近は出演作は少ないながらも、『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019)で、キアヌ・リーヴス演じる主人公の育ての親という重要な役にふんし、健在ぶりをアピールした。ハリウッドに限らず、女優は年を重ねるごとに活躍の場が減ってくると言われるが、アンジェリカは70代を迎えた今もなお現役を貫き、彼女らしい活躍を見せ続けている。(編集部・香取亜希)