謎の雲に触れると10秒で死ぬ…ディストピア映画『ピンク・クラウド』来年1月公開
突如発生した謎の雲によって、ロックダウン生活を余儀なくされた人々のリアルを描くディストピア映画『ピンク・クラウド』が、2023年1月27日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次公開される。
「触れると10秒間で死に至る」という毒性を持った正体不明のピンクの雲が発生し、一夜の関係を共にしていたジョヴァナとヤーゴは、高層アパートに引きこもり、数週間で終わるであろうロックダウン生活に入る。しかし、月日が流れ、今の生活が終わらないことを誰もが悟り始めると、二人は現実的な役割を果たすことを迫られる。父親になることを望むヤーゴと、反対するジョヴァナに、やがて男の子リノが誕生。かつての生活を知らないリノは不自由なく暮らしており、父ヤーゴも新生活に適応していたが、ジョヴァナの中で生じた歪みは、次第に大きくなっていく。
監督・脚本を手がけたのは、本作が長編デビュー作となるブラジルの新鋭イウリ・ジェルバーゼ。当初はSFとして、2017年に脚本が執筆され、2019年に撮影されたが、パンデミックで一変した現実と重なるという、思いもよらぬ形で世界から脚光を浴びた。
ジェルバーゼ監督は「この映画を見ることは、パンデミックの期間中に味わったさまざまな感情を振り返る機会になると思っています。その一方で、ウイルスやパンデミックが話題になるずっと前に脚本を書いたことを念頭に見てもらうと、この映画はさまざまなメタファーや多義性に満ちており、さまざまな感情を喚起するはずです。今回、誰もがロックダウンの体験をしたことで、1人1人がこの映画に対してそれぞれの思いを抱くと思います。『ピンク・クラウド』は選択、欲望、自由についての映画です」とコメントしている。(編集部・倉本拓弥)