三池崇史監督「愛の不時着2」を演出するのかと思った
「愛の不時着」のスタジオドラゴンが制作し、三池崇史監督が演出したディズニープラス配信の韓国ドラマ「コネクト(原題)」が第27回釜山国際映画祭オンスクリーンセクションに出品され、三池監督をはじめ、チョン・ヘイン、コ・ギョンピョ、キム・ヘジュンが7日、現地で記者会見を行った。
「コネクト」は同名ウェブトゥーンが原作。不死の身体を持つ新たな人類ドンスが、臓器売買組織に拉致されて片目をえぐり取られた後、韓国中を震撼させる連続殺人鬼に自分の目を移植されたことを知り、彼を追っていく物語。
三池監督は、韓国から演出オファーを受けたとき、「スタジオドラゴン制作ということで、『愛の不時着2』を演出するのかと思ったけど、それは君の作品ではないとはっきりと否定されました」と当時を振り返って苦笑い。「そして提案されたのが本作だったのですが、韓国作品を撮るのも初めてで、OTT(動画配信サービス)も初めて。そして自分ともっとも遠い所にあると思っていたディズニー作品というのも驚きで、初めてづくしだった」とサプライズの連続だった。
監督が日本人で俳優は韓国人という日韓混合体制での撮影現場について、「台本を基に良い作品を作りたいという共通認識に日韓の違いはなく、通訳を介してはいるが、ジェスチャーで互いに確認するなどしてストレスなく撮影した」と語る三池監督。するとチョンは「確かに作品作りでは言葉のストレスは感じなかったのですが、監督が現場でよくギャグを言われるんです。通訳を介するので面白さが伝わらないときがあり、自分のギャグの反応を待っている監督にどう答えていいのか困惑した」と突っ込むと、ほかの二人もうなずきながら楽しかった撮影現場を述懐していた。
韓国でも三池監督はカルト的な人気でファンも多く、三人は三池作品を断る理由がないと絶大な信頼を置いている。三池監督もしかりで「俳優は自分が目立とうとすることをまず考える者もいますが、チョン・ヘインはとにかく作品第一主義で彼に助けられたところも大きい。コ・ギョンピョは遅刻してくることもあったけど、本番が始まると集中力がすごい。キム・ヘジュンは役になりきるのではなく、自分のモノにする才能に長けている」と3人の俳優をべた褒めしていた。
釜山国際映画祭では全6話中3話までが上映された。このことについて三池監督は「監督というのは過去の作品に生かされていると思うんです。過去の作品が評価されるから新しい作品を撮ることができる。韓国で撮影したのも、釜山国際映画祭で上映されるのも、全てファンの皆さんが評価してくれたおかげで映画祭にも来られたのだと思っています」と韓国との縁を作ってくれたファンに感謝していた。
「コネクト(原題)」は12月よりディズニープラスにて配信される。(取材・文:土田真樹)