橋本愛、映画祭は今こそ特別な縁が生まれる場所に アンバサダーとしてあふれる映画愛
第35回東京国際映画祭
24日、第35回東京国際映画祭が開幕を迎え、オープニングイベントが東京ミッドタウン日比谷にて開催。映画祭の顔となるフェスティバル・アンバサダーを務める橋本愛がレッドカーペットに登場した。
今年で35回目を数える東京国際映画祭は10月24日から11月2日まで開催。東京ミッドタウン日比谷の日比谷ステップ広場にてレッドカーペットが行われ、映画祭に集った豪華な顔ぶれが練り歩いた。今回、昨年に続いて2年連続でフェスティバル・アンバサダーとして参加する橋本も姿を見せた。
その後、宝塚劇場に場を移して行われたオープニングセレモニーにも登場した橋本。今回は規模を拡大して日比谷での開催ということで、橋本は「1年ぶりで、去年は屋内だったと記憶してまして、屋外での華やかなレッドカーペットの場はコロナ以来かなと思うと、とても感慨深いです」と喜びをコメント。続けて「日本というとても小さい島国の中で、どうしても広い世界に対して、閉鎖的な印象が強い気が常日頃からしています。そのなかで開かれた、これだけ豊かな繊細な感性が育っていることにしみじみ感じます」と思いを明かす。
「日本映画が好きなところは、湿度が高いところ。映像は平面的なのに、その場所の風景の匂いだったり、湿度だったり、自然の豊かさみたいなものがダイレクトに、肌に伝わってくる生活感のある作品が好きです」
また、テーマである「飛躍」を遂げるために日本映画に必要なことを聞かれた橋本は「それぞれの立場で、どうすればいいのかを考えていらっしゃるとは思うのですが、私自身は飛躍していくために、まずは世界を見渡すこと、世界を知ること、一番に大事なことだと思います。世界を見渡して、自分に視点が翻ったとき、日本の映画の現在地を見つめていくことが大事かなと思っています」と切々と語る。
最後にたくさんの方々が携わって、これだけ大きな規模の映画祭を無事に開催することになって、ホッとしております。そして、今年は111作品という去年より3割増しの上映作品で、とても数多くの作品を見られることができます。今は自分で時間を作って、好きな作品を選んで家で見るなど、主体性が個人にあると思うのですが、映画祭で映画を見るという経験は、決まった時間に決まった作品が決まった場所で上映されている、ある種の制約に自分が向かっていくこと。特別なご縁になると思います」と映画愛にあふれる言葉で呼びかけた。
コンペティションには107の国と地域から1,695本の応募があり、3本の日本を含む15作品がラインナップ。日本作品としては稲垣吾郎が主演した『窓辺にて』（今泉力哉監督、11月4日公開）、鈴木亮平と宮沢氷魚が共演した『エゴイスト』（松永大司監督、2023年2月10日公開）、山田杏奈が主演した『山女』（福永壮志監督、2023年公開予定）の3作品が選出されている。
ほかにも映画祭では、昨年創設された「ガラ・セレクション」部門にて日本での公開を控える新作14作品がプレミア上映されるなど、注目作が目白押しとなっている。クロージングでは黒澤明監督の名作を英国でリメイクした『生きる LIVING』がスクリーンを飾る。（編集部・大内啓輔）