「ウルトラセブン」森次晃嗣、モロボシ・ダンは“分身” 55周年でスタッフに感謝
第35回東京国際映画祭
俳優の森次晃嗣が29日、都内で開催中の「第35回東京国際映画祭」内で行われた「ウルトラセブン」55周年記念上映『ヒーロー』トークショーに出席。森次は、半世紀以上前に制作された作品が、こうして長く支持されていることに感激し、言葉に詰まりながらも「モロボシ・ダンは体の中心部に入り込んでいる。分身のような存在」と熱い思いを語った。
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東京国際映画祭ジャパニーズ・アニメーション部門で特集上映される特撮ドラマ「ウルトラセブン」シリーズ。「対話」「特撮」「ヒーロー」という3つのテーマに基づき、厳選した12エピソードを4K上映しており、この日は第39話&第40話「セブン暗殺計画(前後編)」、第48話&第49話「史上最大の侵略(前後編)」が上映された。
24日に行われたオープニングセレモニーでレッドカーペットをかっ歩した森次。会場ではファンからサインを求められることも多かったが、「東京国際映画祭に『ウルトラセブン』という作品が取り上げられることに感激しました」と言葉に詰まる。放送から55年たった今でも、熱狂的なファンが多い『ウルトラセブン』の魅力について、森次は「やっぱり脚本の面白さですね」と語ると「30分で完結するお話のなかで、未来の話をあの時代に書いた脚本家の方々は素晴らしい」と称賛する。
また森次は、第17話「地底GO!GO!GO!」で自身が演じたモダンのモデルとなった薩摩次郎のエピソードについて「あれは企画書にはなかったんです。撮影に入って事実を知ったんです」と裏話を披露すると、「でもあの役はやっていて楽しかったし、好きでした」と語っていた。
半世紀以上を経ても、色あせることなく語り継がれる「ウルトラセブン」。森次は「作品に関わってきた方々が結構亡くなってしまっているんですよね」とさみしそうにつぶやくと、「でも作品は残っていく。いま観ても古い作品ではないですよね」と胸を張る。
司会者から「モロボシ・ダンはいまでも森次さんのなかに生きていますか?」と問われると、森次は「分身だろうね。体の中心部に入っている」と即答。さらに「でもそれを背負っていくのは結構つらいことなんだよね。何をやっても『モロボシ・ダンだ!』と言われるんだから。それが嫌だなと思ったこともありましたが、そんなことを超越していい作品だなと思えるのだから、関係者やスタッフには感謝しかないです」としみじみ語っていた。
イベント最後には、おもむろに内ポケットからウルトラアイを取り出すと、「西の空に明けの明星が輝くころ……」とおなじみのセリフと共にウルトラセブンの変身を披露。会場からは大きな拍手が巻き起こった。(磯部正和)