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「エルピス」長澤まさみの吐しゃ物のみ込む壮絶演技!踏み込んだテーマに猛反響

「エルピス-希望、あるいは災い-」初回より長澤まさみ演じる落ち目のアナウンサー・浅川恵那
「エルピス-希望、あるいは災い-」初回より長澤まさみ演じる落ち目のアナウンサー・浅川恵那

 長澤まさみ主演のカンテレ・フジテレビ系ドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」(毎週月曜よる10時~)が24日よりスタート。チーフ演出が「モテキ」「共演NG」などの大根仁、脚本が朝ドラ「カーネーション」や「今ここにある危機とぼくの好感度について」などの渡辺あやとあって放送前から注目を浴びていたが、初回放送後「冤罪事件」をテーマにしたシビアな内容がネット上で猛反響を呼んでいる。

【画像】長澤まさみが毒親を熱演した衝撃作

 主人公は、社内で“制作者の墓場”と揶揄される深夜の情報番組「フライデーボンボン」でコーナーMCを担当する落ち目のアナウンサー・浅川恵那(長澤)。初回では、浅川が新米ディレクターの岸本拓朗(眞栄田郷敦)から、ある連続殺人事件の犯人とされる死刑囚が冤罪の可能性があること、事件の調査報道をもちかけられるさまが描かれた。

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 放送後、Twitterトレンド1位となる反響を呼んだ本作だが、ハラスメントがはびこるテレビ業界の内幕のほか、リスクを負いたくないマスコミの委縮した姿勢や、おかしいことをおかしいと言えない風潮などが浮かび上がるシビアなストーリーに「作り手の気概を感じる」「目が離せない」「社会の縮図のよう」だと感想が続々。参考文献として、「冤罪 ある日、私は犯人にされた」(朝日新聞出版)、「訊問の罠 足利事件の真実」(角川oneテーマ21)、「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」(新潮文庫)、「足利事件 冤罪を証明した一冊のこの本」(講談社)、「東電OL殺人事件」(新潮文庫)などがクレジットされている。

新米ディレクターの岸本拓朗(眞栄田郷敦)と、政治部・官邸キャップの斎藤正一(鈴木亮平)

 そして、摂食障害に陥るほど追い詰められた落ち目のキャスターにふんした長澤の熱演。かつてゴールデンタイムのニュース番組のサブキャスターとして華々しく活躍しながら、週刊誌に路上キス写真を撮影されたことを機に左遷させられた。眠れず、ものを食べることもできずゼリー飲料と水でしのいでいるギリギリの状態。なのに、路チュー相手の斎藤正一(鈴木亮平)は、報道番組の政治部・官邸キャップとして活躍する理不尽な現実だ。大根による「モテキ」の劇場版では最強のモテ女子を好演した長澤だが、本ドラマでは嘔吐しそうになるたびに吐しゃ物を飲み込もうとする壮絶な演技を見せている。とりわけ終盤に「アナコンダだろうと国家権力だろうと関係ない。おかしいと思うものをのみこんじゃダメなんだよ」「あたしはもうのみこめない。これ以上。のみ込みたくないものをのみこまない。でないともう死ぬし、わたし」とまくしたてるシーンが注目を浴びた。

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 共演に、映画『カラダ探し』も大ヒット中の眞栄田郷敦、映画『孤狼の血 LEVEL2』と日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で真逆の熱演が話題を呼んだ鈴木亮平。そして事件のキーパーソンとなるヘアメイクの大山さくらにふんするのは、アカデミー賞国際長編映画賞に輝いた『ドライブ・マイ・カー』の三浦透子。毒舌のチーフプロデューサー役の岡部たかし、副総理役の山路和弘など芸達者な顔ぶれが脇を固め、それぞれ鮮烈な存在感を放っている。プロデューサーはドラマ「カルテット」「大豆田とわ子と三人の元夫」「17才の帝国」などの佐野亜裕美、音楽は「あまちゃん」、映画『花束みたいな恋をした』などの大友良英。宣伝美術のアートディレクターに吉田ユニが名を連ねている。

事件のキーパーソンでヘアメイクの大山さくら(三浦透子)

 不穏なエンディングも話題だ。料理番組を収録中とおぼしき浅川がとびきりの笑顔で時に歌い踊りながらショートケーキを作っているのだがオーブンを覗くと、一瞬にして恐怖の表情に。テレビの向こう側では、大山さくら(三浦透子)が暗い部屋で一人ショートケーキを食べながら、オーブンを指さして必死に何かを訴える浅川をじっと見ている……というもの。意味深な映像に「怖い」「シュール」「鳥肌が立った」と多くの感想が寄せられ、テーブルの上に置かれたケーキの箱の賞味期限に注目する声も多く見られた。(編集部・石井百合子)

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