「鎌倉殿の13人」横田栄司、和田義盛の運命に「ちくしょー」「しかたあるめぇ」
30日に放送された三谷幸喜脚本・小栗旬主演の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」（NHK総合ほか）第41回では鎌倉最大の激戦「和田合戦」が描かれ、多くの視聴者に愛された和田義盛役の横田栄司がコメントを寄せ、「三谷幸喜さんのおかげで和田義盛という人物が、僕は日本の中で一番好きな日本人になったと自負しています」と役への思い入れを語った（※ネタバレあり。41回の詳細に触れています）。
和田義盛は三浦義澄の甥で、鎌倉殿を支える“13人の宿老“の一人。頭脳戦は苦手だが、豪快で勇猛。そのおおらかでチャーミングな気質から、御家人たちの間で絶大な人気を誇り、トキューサ（時房/瀬戸康史）は「あのお方を嫌いな人なんていません」というほど。話しているとつい笑みがこぼれる、そんな人物だ。婚姻など悩み事の多かった三代目・鎌倉殿の源実朝（柿澤勇人）にとっては心を許せる数少ない人物で、度々和田家を訪ねてはくつろいだ表情を見せていた。妻の巴御前（秋元才加）にいたっては、義盛がかつて木曽義仲（青木崇高）を亡きものにした憎い仇の一人だったにもかかわらず、「とても大事にされている」とかつて大姫（南沙良）に打ち明ける場面もあった。
しかし、そんな義盛の人気が義時（小栗）、北条の脅威に。第40回では義時が大江広元（栗原英雄）と共謀して和田を滅ぼすべく画策。実朝と政子（小池栄子）が戦を回避するべく奔走するが、41回ではついに“その時”を迎える。
横田は、義盛の最期について「巴さんにも畠山重忠にも『お前は生きろ』だとか『もうちょっと生きていようぜ、楽しいこともあるぞ』なんて言っていた人が、結局ああいう死に方をしてしまうのが、時代なのか、運命なのか。『和田義盛は何を抜かったんだろう』なんてことを考えながら演じていました。最期のシーンの、矢がいっぱい刺さった鎧というのはつくるのも大変な鎧でして、本当にスタッフの皆さんに感謝しながら横たわっていました」とコメント。
これまで長きにわたって幕府を支えるために苦楽を共にしてきた義時、三浦義村（山本耕史）に討たれた皮肉な運命には複雑な思いがあるようだ。「和田義盛はどう思っていたかわからないですけども、私としては、義時も義村も理由があって生きている、生き延びていくという時代ですから、生き延びていくための最善の手段を彼らもとっているはずで。そういう意味ではある部分、気の毒な面もありますし、それで失った心だとか、失った仲間や家族だとか、そういうことも彼らは抱えていると、和田義盛も横田栄司も知っているので、こういう時代だからこそこれはこれで『しかたあるめぇ』と。義盛は『まぁ、お前たちもな、よくやってるよ。じゃあ元気で生きていてくれよ。生きてりゃ楽しいこともあるぞ』という、ちょっと『悔しいけどな』とか『ちくしょー』という気分もありながら、彼らのことを見つめていました」
視聴者と同様、横田自身も義盛への愛着は尽きないようで「本当に、立派な人物ではないのかもしれないですけども、まっすぐな男で、うそをつかないし、最初のころからあまりキャラクターがブレていない、数少ないひとりなんじゃないでしょうか」とその魅力を分析。「三谷幸喜さんのおかげで和田義盛という人物が、僕は日本の中で一番好きな日本人になったと自負しています。本当に愛らしいキャラクターで、それをつくってくださったスタッフさん、共演者の皆さんに本当に感謝しています。そして応援してくださった皆様、和田義盛をかわいがってくださった皆様に心から感謝しています」と共演者、スタッフ、視聴者に感謝の気持ちを表している。（編集部・石井百合子）