「鎌倉殿の13人」小栗義時がもはやヒール 「主人公なのに…」戦慄止まらず
三谷幸喜脚本の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)で小栗旬演じる主人公・北条義時の変貌ぶりがこのところすさまじく、もはやヒールのような役回りに戦慄、戸惑いの声が多く寄せられている(※ネタバレあり。第42回の詳細に触れています)。
平家隆盛の世、義時は伊豆の弱小豪族の次男坊に過ぎなかった。もとは野心とは無縁だった義時だが、流罪人・源頼朝(大泉洋)と姉・政子(小池栄子)の結婚をきっかけに人生が一変。やがて鎌倉幕府初代将軍となった頼朝の右腕となり、彼から“すべて”を学んでいった。かつて頼朝が上総広常(佐藤浩市)や木曽義仲(青木崇高)、弟・義経(菅田将暉)ら脅威となる者を次々と粛清した際にはその非道ぶりをただ見守るしかなかったが、父・時政(坂東彌十郎)と決別し政の実権を握ったのを機に、今度は自身が頼朝と同じ道を行くことになり、衣装の色が緑から黒に変わってからは視聴者の間で“ブラック義時”とあだ名されている。
「北条だけが得をする」と御家人たちの間で不満が噴出するなか、兄・宗時(片岡愛之助)の悲願だった「坂東武者の頂点に立つ」べく、三代目鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人)をもけん制し、暴走を止めない義時。しかし、第41回で実朝の忠臣だった和田義盛(横田栄司)を卑怯な手段で討伐したことから実朝が鎌倉を北条から取り戻そうと覚醒。義時ら宿老たちの干渉を拒み、後鳥羽上皇(尾上松也)を手本として自ら政の裁定を下すことを決意した。6日放送の第42回では、旗色が悪くなった義時が水面下で実朝の宋船建造計画を阻み、政から退かせるよう政子に迫り、北条に実権を取り戻すべく画策するさまが描かれた。
「あなたの言う通りにしなければいずれ実朝も頼家のようになると……?」と問う政子に、「どう捉えようが結構です」と静かに返す義時。脅しのようにもとれるこの物言いは日常茶飯事となり、とりわけ政子の“逆襲”に「このままでは済まさん」とつぶやく義時は完全にヒールの顔。このところ視聴者の間では「どんどん義時が恐ろしくなっていく……」「主人公なのに……」「もうどう応援していいかわからない」「義時の闇が深くなる」「義時が嫌いになっていく」と義時に対する戦慄の声がとまらず、実朝の運命の日に義時がどのように絡んでくるのか、注目が高まっている。(編集部・石井百合子)