吉岡秀隆、映画『Dr.コトー診療所』で初の経験「本当に怖くなってしまって」
吉岡秀隆が29日、北海道の札幌医科大学で行われた映画『Dr.コトー診療所』(12月16日公開)のトークイベントに登場し、「長い間役者をやっていて初めてだった」という経験を語った。この日は柴咲コウ、中江功監督も出席した。
本作は、東京からへき地の離島・志木那島に赴任してきた外科医“Dr.コトー”こと五島健助と島の人々との関わり合いを通して、命の尊さを描いた2000年代の人気ドラマシリーズの映画化。「北の国から」シリーズでも知られる吉岡は「僕は(代表作が)北の国から南の島へっていう意味で“へき地俳優”って呼ばれていて」と笑いながら、「コトー先生のセリフの中に『病気を診るな。人を診ろ』というのがあるんですが、本当にその気持ちでずっと演じてきた気がします」と振り返る。
さらに、仕事がない時はほどんど北海道にいるという吉岡は「この前も(札幌の)大通公園でトウモロコシを一人で食べていました(笑)」と告白。柴咲も「両親の出身が北海道ということもあり、小さい頃から縁があったのですが、大人になってから改めて北海道の魅力に取りつかれて2年前くらいから住み始めました」と北海道への愛を明かした。
本作のキャッチコピー「人を救って、人に救われて、ずっとここで生きてきた。」にちなみ、学生から「役を演じる中で、実際に周りの人々から救われた経験はありますか?」と質問された吉岡は「今回手術シーンでは本当に怖くなってしまって、震えが止まらなくなってしまった」というエピソードを披露。
「そういった経験は長い間役者をやっていて初めてだったのですが、自分の中で五島健助という男が生きてしまっていて、この16年のコトー先生の重みみたいなものを背負わされたときに僕はとてもじゃないけど演じられないと思ってしまったんです」という。
そんな吉岡を救ったのが、診療所の仲間を演じた柴咲たち。「その時、柴咲さんが震える僕に『五島先生の気持ちは吉岡さんにしか分からないですからね。でも私はそばにいますよ、吉岡さん』って言ってくれて。スッと吉岡秀隆という人間に戻してくれたんです。それで一緒にいた和田さん役の筧利夫さんも腰をグッと支えてくれて『それでいいんだよ、吉岡』と励ましの言葉をかけてもらえて、今回の作品で言えば、その二人に本当に支えられました」と吉岡が感謝すると、柴咲は「毎回こうやって吉岡さんが素敵に話してくださるので、私がすごく素敵な人に見えますよね」と照れ笑いを浮かべていた。(編集部・中山雄一朗)