庵野秀明が責任編集、伝説の同人誌「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会」復刻
庵野秀明が企画・発行人・責任編集を務め、1993年に刊行された同人誌「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会」が、商業出版のかたちで復刻されることが決定した。
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会」(通称・逆シャア本)は、名だたるクリエイターのインタビューと寄稿を通じて、富野由悠季監督の『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)を検証・総括することを目的として制作された伝説の同人誌。
インタビューには富野由悠季をはじめ、出渕裕 (イラスト寄稿も有り)、鈴木敏夫、永島収、押井守、幾原邦彦、ゆうきまさみ(4コママンガ寄稿も有り)ほか錚々たる面子が並び、寄稿者(イラストを含む)にも、あさりよしとお、會川昇、鶴田謙二、ことぶきつかさ、美樹本晴彦ほか豪華な顔ぶれが集まっている。
復刻作業はオリジナルの同人誌を忠実に再現する方向で進められ、「僅かではあるが、修正が施されている」とのこと。また、現物が行方不明となっているイラストの一部、人物写真については同人誌の誌面スキャンを使用しており、オリジナルと差異が生じているという。
東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケット101(2022年12月30日~31日)の「アニメスタイル」ブース(企業ブース915)で先行販売。2023年1月からAmazon、アニメスタイル ONLINE SHOP 等で一般販売を開始する。
また、庵野秀明が復刻版のためにつづった文章から一部を抜粋。「『シン・ゴジラ』を創れた御陰で『シン・エヴァ』が形になった様に、「逆シャア本」を作った御陰でTV版『エヴァ』を進める事が出来たと思う」など、同誌が作家・庵野秀明にとっていかに重要なものだったのか伺える文章となっている。
庵野秀明による文章の抜粋は以下の通り。
ほぼ29年前の巻頭言で示唆している様に、当時の自分はアニメーションの制作現場とアニメ製作業界に失望していた。上京以来40年、その状況に儚い抵抗を試みてはどうにもならずに失望するという流れを幾度も繰り返していると思う。
1993年当時も、今でもそうだ。
その都度、悲劇的な感傷を演じている自分が嫌だったし、このまま何もしないのも嫌だった。
だから何かしよう、とアニメの現状と自身の失望感へのレジスタンスとしてその時に試みたのが、『エヴァンゲリオン』というTVアニメの企画開発と他アニメ作品の分析と検証だった。
失望から希望を見出す動因として始めた本誌の編集作業が結果的に、『エヴァ』という企画を纏める要因となっている。『シン・ゴジラ』を創れた御陰で『シン・エヴァ』が形になった様に、「逆シャア本」を作った御陰でTV版『エヴァ』を進める事が出来たと思う。
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版]」定価:3,000円+税