二宮和也“息子”役の寺尾聰に感謝
二宮和也が9日、都内で行われた映画『ラーゲリより愛を込めて』の初日舞台あいさつに登壇し、過去に本作のドラマ版で二宮と同じ主人公・山本幡男を演じ、さらに本作ではその息子の壮年期役で出演している寺尾聰に感謝の言葉を送った。
本作は、辺見じゅんのノンフィクション小説を原作に、第二次世界大戦終了後、60万人を超える日本人がシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に捕虜として不当に抑留されるという状況のなか、仲間たちを励ましラーゲリでの希望となった山本幡男(二宮)の生きざまを描いた物語。
二宮は「やっと全貌を観ていただける。8、9月くらいから宣伝をしていて、やり過ぎて本当に始まるのかと思うくらいだったので、ようやく観ていただけてホッとしております」と安どの表情。「めちゃくちゃ芝居がいいなと思っています。金太郎飴ではないですけど、どこを切っても、どの画も自信を持って観ていただける作品になっているので、日本映画いいなと思ってもらえると思います」と胸を張った。
この日は、幡男の息子・顕一の壮年期を演じる寺尾から音声メッセージも届けられた。寺尾は本作のドラマ版「収容所から来た遺書」(1993)で幡男を演じ、二宮とはドラマ「優しい時間」(2005)で親子役で共演した縁もあることから、「本当に短いシーンではありますが、ニノの主演作の応援が少しでもできればと思い、出演させていただくことになりました」と経緯を説明。また、「青年だったニノも(松坂)桃李も今や日本映画を代表する俳優になって、いつも遠くから見ていてうれしく思っていました」と彼らの成長を喜んだ。二宮は「感謝だなと思っております。改めて、いい声をされているなと思いながら(聞いていました)。贅沢でした」と感激に浸りつつ、「『お前が出てるから、何かあったら行くよ』と言ってくださっていたのが寺尾さんだったので、本当に出ていただいて感謝ですね。ありがとうございます」と頭を下げた。
寺尾は顕一さん本人からの手紙も代読。そこには、「二宮和也さんの姿は、父・幡男にそっくりで驚きました。何気ない仕草や表情が、わたしの記憶している父を彷彿とさせるのです。その二宮さんが、山本幡男を偉人としてではなく『普通に生きた一人の男』として演じられたことは、わたしにとって非常に好ましく嬉しいことでした」と綴られており、二宮は「俺も似ている感じがしていて、『似てない?』『そんな感じしますよね?』と現場で盛り上がったのは覚えているんですよ。だから、息子さんにも思っていただけていたことはうれしかったです」と大満足の様子だった。
この日は共演の北川景子、松坂桃李、中島健人(Sexy Zone)、桐谷健太、安田顕、瀬々敬久監督、犬の大吉も登場した。(錦怜那)