「エルピス」眞栄田郷敦が主人公並みと高評価 SNSで岸本くんにエール相次ぐ
長澤まさみ主演のカンテレ・フジテレビ系ドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」(毎週月曜よる10時~)。渡辺あやが脚本を手掛けた、「冤罪事件」をテーマにした「忖度なし」の研ぎ澄まされた内容が話題を呼んでいるが、回を重ねるごとに注目を増しているのが眞栄田郷敦だ(※一部ネタバレあり。第8話までの内容に触れています)。
本作は、深夜の情報番組「フライデーボンボン」のコーナーMCを担当していた落ち目のアナウンサー・浅川恵那(長澤)が、ある事件の冤罪疑惑を追う中で、人生を一変させていくストーリー。話題の眞栄田が演じるのは、かつて浅川に冤罪の可能性がある死刑囚の調査報道をもちかけた「フライデーボンボン」の元新米ディレクター・岸本拓朗。初めは組織に圧力をかけられ、報道部に相手にされなくても「真実」を世に知らしめようと暴走していた浅川に対し、あくまでアシスタント的な立場に甘んじていた岸本だが、今や浅川以上に事件にのめりこむように。不純な動機で事件にかかわったはずが、封印していた過去と向き合い、時には摂食障害に陥り、左遷させられながらも刃を収めず己の道を突き進んでいく。世間知らずのおぼっちゃんだった彼が、何かに突き動かされるように「覚醒」していくさまを迫真の演技で演じて見せた。
浅川と岸本の明暗を分けたのは、浅川が番組のチーフプロデューサーを出し抜いて「フライデーボンボン」で報じたあるスクープ。これまで軽んじられていた番組は想像を超える反響を呼び、組織の思惑によって浅川は看板アナウンサーに返り咲き、岸本は経理部に左遷。岸本にとって浅川は手の届かない存在となるが、その後も二人は秘密裏に連絡を取り合い、事件に執着していた。しかし、第8話ではその状況が一変する展開に。
第8話のキーワードは「信頼」と「裏切り」。浅川がかつて迷い込んだ商店街で出会った怪しげな男(瑛太)が事件に深く関わっている可能性が浮上し、岸本は浅川の依頼を受けその男の調査を開始。岸本はまたしても、事件を揺るがすスクープを入手して浅川が所属する報道部に持ち込むも、浅川もディレクター(三浦貴大)も「後追いなら」という煮え切らない反応。あきらめきれない岸本は、浅川の提案を受け雑誌社に持ち込むが、雑誌が並ぶ直前に衝撃的な事態が巻き起こる。
いまだかつてない絶望を味わった矢先、武田信玄の扮装をしたベテラン俳優(松尾スズキ)から思いがけない言葉をかけられ表情が和らぐ岸本。怒り、軽蔑、戸惑い、憎しみ、哀しみ……言葉にならない感情が渦巻く眞栄田のきめ細やかな熱演にネット上では「岸本拓朗の変わりようが凄まじい」「主人公は岸本拓朗じゃないですか?」「初回の頃と顔つきが違う」「眞栄田郷敦はすごい役者」と驚きのリアクションが続々。「岸本くんがんばれ」とエールも多く寄せられ、「岸本くん」がTwitterトレンド入りした。
映画『小さな恋のうた』でデビューしてからわずか3年。今年はNHKドラマ「カナカナ」で主演を務め、先ごろ公開されたホラー映画『カラダ探し』も大ヒットを記録し、絶好調の眞栄田。今後は初主演映画『彼方の閃光』(公開未定)や『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-&-決戦-』(2023年GW公開)などが控えている。(編集部・石井百合子)