Netflix「ウェンズデー」黒と白は彼女のもの ビジュアルへのこだわり
映画『アダムス・ファミリー』で一世を風靡した、不吉で忌まわしい事が大好きなお化け一家の長女の活躍を描いたNetflixドラマ「ウェンズデー」。現在、世界的に大ヒット中のドラマを支えるビジュアルへのこだわりの一端が公式資料で明かされた。
【画像】前髪なしもかわいい『アダムス・ファミリー』のクリスティナ・リッチ
『シザーハンズ』『アリス・イン・ワンダーランド』の鬼才ティム・バートンが監督・製作総指揮を務めた本作は、アダムス家も代々通ったという寄宿学校ネヴァーモアに転入したウェンズデーが、一家にまつわる恐ろしい殺人事件の謎に迫るゴシックミステリー。冷酷にして陰湿、いつも暗い面持ちながら、頭脳明晰で圧倒的なカリスマ性を備えたウェンズデーを、若手女優のジェナ・オルテガが演じた。
何事も白か黒で判断するウェンズデーは、色彩アレルギーも相まって、服装も常に白と黒のモノトーン。シリーズを通してウェンズデーは黒と白しか身に着けておらず、彼女を常に視覚的に目立たせるために、ルームメイトのイーニッドをはじめ、周囲の人々はカラフルな衣装を着ており、エキストラにいたるまでこのルールは徹底されているという。
ちなみに、ネヴァーモア学園の生徒の服装は、毛皮(人狼)にはフワフワした質感やアニマル柄を、石(ゴルゴン) にはゆったりしたパジャマのような衣装を採用するなど、各派閥の特徴を表すディテールが取り入れられた。
このこだわりはセットにも反映されており、学園の近くに位置する街ジェリコは、ネヴァーモアと対照的に全てが明るくなるように作られた。街には黒色で塗られたものはなく、ウェンズデーがジェリコに行くと、すぐに周りから浮いて見えるようになっている。
ジェリコの街はルーマニアのロケ地に作られたもので、CGIを最小限に抑えるため、教会の尖塔なども実際に建設された。花屋やリサイクルショップ、靴屋など、街中のいくつかの店の正面デザインは、チャールズ・アダムズの原作イラストがそのまま再現されている。
こうしたディテールへのこだわりは、バートン監督のこだわりがあってこそ。ウェンズデー役のジェナも「私がこれまで一緒に仕事をした中で、ティムは最も優しい監督の1人です。そして同時に最も細部にこだわる監督でもあります」と語っている。映画版でクリスティナ・リッチが演じたウェンズデーは彼女のイメージを決定づけたが、ドラマのヘアメイクチームは、ウェンズデーらしさと現代的な要素のバランスを取るため、彼女に前髪を作ることに。劇中のスタイルは、最初にバートン監督が自らクシを使って作ってみせたものだったという。
先月23日に配信がスタートした「ウェンズデー」は、英語のNetflixシリーズとして配信初週の視聴時間が過去最多記録を更新。28日間における累計視聴時間は、現在10億時間を突破しており、Netflixの歴代シリーズと比較しても「ストレンジャー・シングス 未知の世界4」「イカゲーム」に次ぐ成績となっている。(編集部・入倉功一)
Netflixシリーズ「ウェンズデー」独占配信中